人に教えないと損する3つの理由|自分でやった方が早いは目先だけ
人に教えないと損する3つの理由|自分でやった方が早いは目先だけ
「部下や後輩に教えるより、自分でやった方が早い」。そう思って、今日も仕事を一人で抱えていませんか。
結論から言います。
人に教えるのは、相手のためではなく自分のためです。「自分でやった方が早い」は目先だけの話で、教えずにいると、あとで一番損をするのは自分です。
僕は郵便局で15年働き、部下に指導する立場も経験しました。そこで身にしみたのが、教えることで一番得をするのは、教える側だということです。
ただし、条件が一つあります。押し付けた瞬間に、教えることは逆効果になります。
この記事では、人に教えないと損する3つの理由と、押し付けにならない線引きを、職場と投資の実例でお話しします。
人に教えないと損する理由① 教えると自分の頭が一番整理される
1つ目の理由は、人に教えることが一番の勉強になるからです。
本を読むより、人に説明するほうが身につきます。覚えたことを誰かに聞かれて説明しようとすると、「ここはこう考えないといけないな」と頭の中で筋が通ります。自分の中で、知識の精度が上がっていくんです。
実はこの音声配信も、自分の頭の整理のためにやっています。誰かに直接教えているわけではありません。それでも「テーマを決めて、分かりやすく話さないといけない」と思うと、投資の考え方もセミリタイアの考え方も、ごちゃごちゃせずにまとまっていきます。
覚えたことを自分の中だけに置いておくと、分かったつもりのまま止まります。人に説明して初めて、どこが分かっていないかに気づけます。教えることは、自分の頭を整理する一番手軽な方法です。
理由② 「自分でやった方が早い」は目先だけで後で遅い
2つ目の理由は、教えることが、自分の普段の仕事を円滑に回すためのものだからです。
自分が覚えている仕事は、自分でやった方が早い。でも、早いのは目先だけです。後々のことを考えたら、教えなかった分だけ遅くなります。
郵便局には、2人、3人、4人という小さな局があります。そこでよく見たのが、営業も業務もできる一人が、全部やってしまう局です。その人がいる間は回ります。でも周りの人は経験を積めず、評価もされません。そしてその人が異動すると、局がガラッと変わってしまう。僕はこれがすごく嫌でした。
毎日同じ顔ぶれで働く職場を、みんながやりやすい場所にするには、全員の力を上げるしかありません。一人一人ができることが増えれば、そのぶん自分も休めるし、後が楽になります。
教えない人の多くは、その場のリスクを避けているだけです。嫌な顔をされるかもしれない、気まずくなるかもしれない。だから言わずに、その場を穏便に済ませる。でも、そこまでして守るほどのリスクがありますか。借金を背負うわけでもありません。
ただし、怒るのと叱るのは違います。自分の感情をぶつけるのはダメです。怒りとの付き合い方は
人は変わらない|怒りに1分1秒を使うのがもったいない3つの理由
に書きました。
でも、重大なミスを「大丈夫だよ」で終わらせるのも違います。自分は間違っていないと思って指導したことを会社が守ってくれないなら、僕は転職を考えます。
投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ。仕事の側でできることを増やすのは、お金に困らない人生の土台そのものです。
理由③ 教えようとすると人を見る目が育つ
3つ目の理由は、人に教えようとすると、人の動きを見るようになるからです。
郵便局に勤めていた頃、ある先輩にこう言われました。「上司になっていくなら、後頭部にもう一つ目をつけろ」。360度、ほぼ全方位が見える人間になれ、ということです。これは響きました。
それから僕は、カウンターに座っていても、2つ離れた席の社員の動きも、後ろの上司の動きも、ずっと見ていました。だから15年間、仕事中に「今日は暇だね」と思った日は一日もありません。
人を見ていると分かることがあります。仕事ができる人ほど、基準が高い。「これくらい、やればできるでしょう」と他人に自分と同じレベルを求めて、できない人を見ると「もうダメだ」と思ってしまうんです。
そうじゃないんです。人それぞれ、個性と得意があります。営業が苦手でも、お客さんへの対応がとても丁寧な人がいます。作業がバカ丁寧だから、ミスがない人もいます。そういう人には「接客している間に、この処理をお願い」と頼めます。一人で全部やろうとするから、お願いできないんです。
手柄を独り占めしないことも大事です。郵便局では、保険の契約が取れると手当が出ました。部下が契約を取ったとき、僕が横で処理を手伝っていても、自分からは何も要求しません。「半分ずつで」と言われても「僕は2でいいよ。よく頑張ったね、見てたよ」と返していました(手当の分け方は職場ごとのルールによります)。そのうえで「もう少しこう砕いて話すと、お客さんにもっと伝わったかもね」と伝えると、素直に「ありがとうございます」と返ってきます。信頼があって初めて、教えることは相手に届きます。
ただし押し付けはダメ|投資の話は聞かれたら答える
ここまで「人に教えることは大事」と話してきました。でも、押し付けはダメです。
一番分かりやすいのが投資の話です。聞かれてもいないのに「オルカン買ったほうがいいよ」「投資やったほうがいいよ」と言うのは、押し付けです。
相手から「投資にちょっと興味があるんだけど、何がいいと思う?」と聞かれたら、そこで初めて答えます。僕の答えは決まっています。「新NISAで、とにかくオルカンを買っておけばいいよ。ある程度は勉強してね」。これだけです。
配信では、顔も関係性もほとんどない相手だから、何度でも「オルカンでいい、売らないで」と言います。でも、身近な家族や友達に同じやり方は通じません。
もし相手が「暴落しそうだから売っちゃった」と言ってきても、「なんで言ったのに」と言ってはいけません。「そうなんだ」で十分です。人は変わりません。変われるのは、自分自身だけです。相手のほうから「なんであの時売っちゃったんだろう」と言ってきたときに、「持ち続けることが大事なんだよ」と伝えればいい。それが本人の勉強になります。
僕自身もそうでした。2019年、妻に老後資金を聞いたら「1億円」と返ってきました。誰かに勧められたわけではなく、そこから自分で調べ始めた。学びの原点は、両学長(リベラルアーツ大学)の考え方です。自分で動いたから、続きました。
資産額の目標を人に語るのも、似たところがあります。たとえば8,000万円になったら幸せで、7,999万円なら幸せじゃないのか。そうじゃないですよね。投資は孤独な戦いです。他人と比べるものではなく、自分がお金に困らない人生になれば、それでいいんです。
投資を人に教えるときの考え方は、
にもまとめています。
「辞めたい」と相談された部下に返した言葉
郵便局にいた頃、部下の女性社員から「辞めようかと思っていて」と相談されました。仕事そのものが楽しくない、という相談でした。
たぶん今までの上司なら「辞めないように頑張ろう」と言ったと思います。僕ははっきり「本当に辞めたいなら、辞めていいよ」と言いました。
驚いた顔をされたので、こう続けました。「辞めたいと思ったのは、それだけ今の仕事を真剣に考えて、自分と向き合ったってこと。そのうえで合わないと思うなら、自分の人生なんだから次に行けばいい。会社は君の人生を全部請け負うものじゃない。労働力を買っているだけ。だから、よく考えて」。
何年か後、会社の飲み会で本人に言われました。「今も辞めてません。辞めてもいいと言われたのは初めてで、そのうえで考えて、もう少し頑張ろうと思えました。役職も一つ上がりました」。
僕はそのとき、「同じように悩む後輩が出てきたら、今度は同じアドバイスをしてあげてほしい」と伝えました。会社は人でできています。いい考えの人が増えていけば、周りも楽になります。
答えを押し付けず、相手に考えさせて、相手に決めさせる。これが、僕の思う「教える」です。
まとめ|人に教えるのは自分のため、今日1つだけ教えてみる
人に教えないと損する理由は3つです。教えると自分の頭が一番整理される。「自分でやった方が早い」は目先だけで、教えたほうが後で自分が楽になる。教えようとすると人を見る目が育ち、任せ方が分かる。
ただし、押し付けはダメです。投資の話は聞かれたら答える。売ってしまった人を責めない。答えは相手に決めさせる。
人は変わりません。でも、自分自身なら今日から変われます。
今日、自分しかできない作業を1つだけ、誰かに教えてみてください。
(出典:鼻つぶれぱぐ男 音声配信・本記事と同じ回の内容をもとに構成)
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5つの力
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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