こどもNISAはほぼ不要!先に自分の枠1800万を埋める理由
こどもNISAはほぼ不要!先に自分の枠1800万を埋める理由
「こどもNISA、うちの子のために使ったほうがいいのかな」。
2027年の制度開始を前に、そう気になっている親御さんは多いと思います。
結論から言います。
ほとんどの家庭に、こどもNISAは要りません。
先に埋めるべきは、自分自身の新NISA枠1,800万円だからです。
私は信用金庫3年、郵便局15年の金融機関勤めを経て、40歳で退職し夫婦でセミリタイアした鼻つぶれぱぐ男です。
うち15年は保険販売の現場にいました。
「子どものため」という言葉がどれだけ強力に財布を開かせるか、売る側として嫌というほど見てきました。
だからこそ今日は、煽りも否定もなく「順番」の話をします。
こどもNISAとは?2027年1月開始の制度を30秒で
まず制度の中身です。
2026年度税制改正法の成立により、こどもNISAは2027年1月から始まることが決まっています(2026年8月時点の情報です)。
ポイントは5つです。
①対象は0〜17歳
②年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は総額600万円
③買えるのはつみたて投資枠の対象商品のみ
④資金の引き出しは、中学校入学年以降に「子ども本人のための用途」であることと本人の同意を条件に可能になります
⑤そして18歳になると、成人NISAのつみたて投資枠へ自動的に移行します
なお、かつてのジュニアNISAとは別の制度です。
ジュニアNISA口座を持っているお子さんでも、こどもNISA口座は開設できる見込みです。
ここで大事な注意点をひとつ。
移行した600万円は、成人NISAの生涯枠1,800万円とは別の「上乗せ」ではなく、その内側に引き継がれる仕組みです。
「子ども名義で600万円分お得になる」と勘違いしないでください。
細かな手続きは今後の実務対応で詰まっていく部分もあるので、開始前に金融庁や証券会社の一次情報を確認してから動きましょう。
不要な理由①:自分の1,800万円を埋めるのが先
こどもNISAが不要と言い切る一番の理由は、順番です。
新NISAの非課税保有限度額は一人1,800万円。
夫婦なら3,600万円です。
この枠、あなたは埋め切れそうですか。
単純計算してみます(運用益は考慮していません)。
1,800万円を月5万円の積立で埋めると360か月、つまり30年かかります。
月6万円なら25年。
月7万円でも約21年。
毎月15万円積み立てられる人で、ようやく10年です。

つまり、大半の家庭にとって「自分の非課税枠が余っている」状態が何十年も続くわけです。
教育資金のつもりで子どもの枠に月1万円入れる余裕があるなら、その1万円を自分の枠に足したほうが、管理も引き出しも自由なまま、同じ非課税で運用できます。
わざわざ新しい箱を開ける理由がありません。
自分の積立額なら何年かかるのか、手元の数字で確かめたい方は、新NISAつみたて&取り崩しシミュレーターで試算してみてください。
https://calc.hanatsuburepaguoblog.com/?utm_source=blog&utm_medium=referral&utm_campaign=calc
以前の配信で「使わなかった教育資金は、子どもが成人したあと本人名義のNISAに置いてあげれば、その分だけ子の資産形成のスタートが早くなる」という話をしました。
今日はその前段、教育資金を貯めていく段階の話です。
貯める段階では自分の枠、渡す段階で子の名義。
この順番なら、貯めている間のコントロールを手放さずに済みます。
不要な理由②:名義は子ども。親がコントロールを手放す制度
もうひとつの理由は、お金の性質が変わることです。
こどもNISAに入れたお金は、完全に子ども名義の資産になります。
親が家計の都合で取り崩すことはできません。
引き出しも、中学校入学年以降に用途と本人の同意という条件付きです。
私は資産を取り崩しながら生活する側に回って4年になりますが、「手をつけられないお金」の重さは、積み立てている時期には見えません。
人生には不測の事態が必ず起きます。
流動性を手放すコストは、資産が増えている時ほど軽く見積もられるんです。
誤解のないように言うと、「簡単に出せない」ことがプラスに働く場面もあります。
特定口座だと目移りして売買してしまう人にとって、拘束は防波堤になる。
ただしその効果は、自分名義のiDeCoや新NISAで十分に得られます。
わざわざ子ども名義で得る必要はありません。
そして、もっと現実的な話をします。
12歳の子が引き出しに同意するということは、その時点で「自分名義にこれだけある」と知るということです。
お金があると分かった子どもは、悪気なく外で話します。
実際、子どもが学校で「うちは○○を持っている」と話してしまい、良からぬ相手に目をつけられたという類の話は昔からあります。
余裕があると人より優位に立ちたくなるのは、大人でも抑えるのが難しい本能です。
金銭感覚が育つ前に金額だけ知らせるのは、リスクのほうが大きいと私は思っています。
お金の仕組みを教えるのは大賛成ですが、残高を見せることとは別の話です。
この「教育資金を専用の箱に囲い込む」発想、実は昔の学資保険とそっくりです。
中身が高コストの保険から低コストのインデックスに変わっただけで、箱に安心する構造は同じ。
保険販売の現場に15年いた人間として断言しますが、箱を持つことと資産が増えることは、別問題です。
こどもNISAを使ってもいいのは2パターンだけ
ここまで不要と言い切りましたが、例外が2つあります。
1つ目は、夫婦で3,600万円の枠を使い切る見込みのある家庭
10年以内に自分たちの枠が埋まるペースで積み立てられるなら、こどもNISAは「追加の非課税枠」として機能します。
資金が拘束される代わりに非課税を取りに行く、iDeCoに近い発想ですね。
iDeCoの拠出枠は毎年消えていきます。
会社員なら月2万3,000円、年27万6,000円の枠は、使わなければ翌年に繰り越されず消失する。
だから枠を埋め切れる人ほど、早く動く価値があるわけです。
こどもNISAの立ち位置も、こうした家庭にとってはこれに近いものになります。
2つ目は、金融教育の教材として少額で使うパターン
たとえばお年玉の合計10万円を入れて、年5%で増えると仮定すれば年5,000円。
「5万円のおもちゃを買うと、毎年増える分が2,500円に減るよ。それでも欲しい?」と教えられます。
お金に働いてもらう感覚を本物の数字で見せられるのは、悪くありません。
ただしこの場合も、簡単には引き出せない制度だという点は忘れずに。
なお「自分の枠が埋まったら特定口座で続けていいのか」という質問もよく受けますが、答えはイエスです。
課税されるのは利益が出た時だけ。
税金を払うのは儲かっている証拠であって、悪いことではありません。
むしろ節税を目的に中身の悪い商品を買うほうが、よほど筋が悪い。
生命保険料控除や個人年金保険料控除を目当てに保険商品を買うのは、その典型です。
結論:箱を増やす前に、中身と順番
教育資金を分けて管理したいだけなら、自分の新NISAの中で商品を分ければ済みます。
老後まで取り崩さない超長期の分は全世界株。
学資金のように18年前後で使う分は、先進国株式やS&P500に連動する低コストファンドに分けておく。
中身はどれも広く分散された株式インデックスなので、大きな優劣を気にする必要はありません。
ネット証券で純資産総額がしっかり集まっている低コストのものを選べば十分です。
用途別に商品を変えるだけで、頭の中の仕分けはきちんとできます。
投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ。
利回りや新制度の情報に頭と時間を使うより、収入を増やして自分の枠に回す資金量を増やすほうが、資産形成は確実に早くなります。
私自身、2019年の老後2000万円問題をきっかけに両学長(リベラルアーツ大学)の考え方に出会い、固定費削減と全世界株の積立というシンプルな型に絞ったことで、40歳でセミリタイアできました。
新しい箱が出るたびに乗り換える必要は、まったくありません。
子どもに残すべきはお金そのものか、それともお金に困らないための考え方か。
答えのない問いですが、少なくとも「箱を先に用意すること」が正解でないことは、学資保険の時代が教えてくれています。
毎月15万円以上積み立てられる家庭以外は、まず自分の1,800万円から。
こどもNISAの話は、それからで十分間に合います。
▼増やすちからの話をもっと読みたい方はこちら
増やすちから
![]()
#こどもNISA #新NISA #インデックス投資 #オルカン #教育資金 #学資保険 #金融教育 #資産形成 #子育て #セミリタイア #FIRE #毎日配信 #リベシティ


