賃貸の個人が一番税金で損している理由|住宅節税の4象限マップ
賃貸の個人が一番税金で損している理由|住宅節税の4象限マップ
持ち家か賃貸かで悩む前に、知っておいてほしいお金の話があります。
結論から言います。
賃貸に住んでいて、副業も個人事業も何もやっていない人が、いまの日本の税制ではいちばん損をしています。
40歳でセミリタイアした鼻つぶれぱぐ男が、住宅とお金を「感情」ではなく「税金」の切り口で整理します。
ポイントは、持ち家か賃貸かという1本の軸ではなく、「持ち家/賃貸」×「個人/法人(事業の有無)」という4つのマスで見ることです。
「持ち家か賃貸か」の前に、税金で見る4象限
まず前提です。
持ち家と賃貸は、感情とコストだけで比べるなら、正直どちらでもいいと私は思っています。
ただ一つだけ、持ち家を検討している人に伝えたいのは「マイホームは不動産投資だ」ということです。
3,000万円、5,000万円と借金をして買う以上、売りたくなったときに買った値段より上がる家を選ぶべきで、そうでなければ資産だと思っていた家が負債に変わります。
日本国内は、土地も建物も含めて本当に資産になり得る不動産が少ないのが現実です。
それでも国は、住宅の販売戸数や着工件数で経済が大きく回るため、たくさんの税優遇を用意しています。
もう一つ忘れがちなのが、ローンを返し終えるまで、その家は完全には自分のものではないという点です。
住宅ローンには抵当権が設定され、返せなくなれば銀行が家を引き取ります。
35年ローンは、35年間その支払いに縛られる手錠のようなもの、くらいに思っておくとちょうどいいです。
そもそも住宅ローンは、銀行にとって非常においしいストックビジネスです。
低金利でも、たくさんの人からコツコツ利息が入り続ける安定収入だからです。
金融機関は手数料と利息で稼ぐ業界で、これは銀行も証券会社も同じ構造です。
だからこそ、余計な手数料を払わないことが、住宅でも投資でも効いてきます。
今日はこの前提を踏まえて、優遇を「持ち家か賃貸か」×「個人か法人か」の4象限で見ていきます。
ちなみに私自身は賃貸に十数年住んでいて、不動産のセンスがないので、住宅そのものではなく東証REIT指数で不動産に投資しています。
マイホーム×個人は税優遇の“デパート”(2026年時点)
マイホームを個人で買う人は多いですが、ここは優遇のデパートです。
買ったとき、ローンを組んだとき、そして相続のときまで、税金が安くなる仕組みが並んでいます。
代表が住宅ローン控除で、2026年時点では年末のローン残高の0.7%が、最大13年にわたって所得税・住民税から差し引かれます(2030年入居分まで延長)。
売るときには居住用財産の3,000万円特別控除があり、売却益が3,000万円までは非課税です。
さらに所有期間が10年を超えていれば、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分の税率が、本来の20.315%から14.21%に下がる軽減税率も使えます。
たとえば売却益が3,000万円以内なら、特別控除だけで譲渡の税金はゼロ。
それを超えても、10年超なら6,000万円以下の部分は14.21%で済むので、差は小さくありません。
相続では小規模宅地の特例が強力で、自宅の土地は特定居住用宅地として330㎡まで評価額が最大80%下がります。
私も祖母の相続で実際にこの特例を使い、大きく助けられました。
ただし注意点が二つあります。
これらは全部を同時にもらえるわけではないこと、そして住宅ローン控除には所得制限があり、資産が大きい人は使えないことがあることです。
制度の数値は毎年のように改正されるので、実際に使う前に国税庁の情報で最新を確認してください。
法人・個人事業なら、家賃まで税をコントロールできる
次に「法人」です。
マイホームを法人名義で買うと、建物を減価償却でゆっくり経費に落とせて、リフォーム費や管理費も経費にできます。
減価償却とは、たとえば3,000万円の建物を、毎年少しずつ価値が下がる分だけ経費に計上していく仕組みで、家賃を払っているような感覚で利益を圧縮できます。
私もマイクロ法人を持っていますが、自宅を事務所にするイメージで、役員社宅の仕組みも使えます。
そして今日の本題に近いのが「賃貸×法人・個人事業主」です。
これは私自身の状態でもあります。
個人事業主なら、青色申告をして家賃の一部を事務所として按分し、経費にできます。
半分や3分の1といった割合は業務の実態で決まるので、自動的に半分通るわけではありません。
青色申告は税務署で書き方を聞けば誰でも始められます。
法人で役員社宅にすれば、家賃の大部分を経費にできます。
ただし「家賃を全額経費」はまず無理です。
法人は役員から賃貸料相当額を受け取る義務があり、これを怠ると給与として課税されます。
按分や設定に自信がなければ、質問に答えるだけで割合を出してくれるクラウド会計ソフトが手軽です。
AIに相談しても一般論までは答えてくれますが、突っ込んだ数字は踏み込んでくれないことが多いので、最後は数字を扱えるツールか専門家に頼るのが安全です。
賃貸×個人がワースト|税制の“ゼロマス”
ここまで来ると、いちばん損なマスが見えてきます。
会社員をしているだけで、副業も個人事業も何もやっていない、賃貸住まいの個人です。
家賃も関連コストも経費にできず、相続でも特に有利になる要素がありません。
4象限の中で唯一、税制のメリットがゼロのマス、それが「事業をやっていない個人の賃貸」です。
ときどき、賃貸派が持ち家派を「損だ」と批判している場面を見ますが、税金だけで言えば、批判している側のほうが使えていないことが多いのです。
人の選択を論破している時間があるなら、その時間で自分の節税の入口をつくったほうが、よほど得をします。
損から抜け出す入口は「副業で個人事業を持つ」こと
では、どうすれば“ゼロマス”から抜け出せるのか。
答えは、副業でもいいので個人事業を持つことです。
ここで根っこの考え方につながります。
投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ、ギャンブルや借金はネガティブ。
投資は副業ではありません。
少し厳しい言い方をすると、あれだけ長く学校で勉強して社会に出ても、初任給は決して大きくなかったはずです。
それだけ、稼ぐというのは本来大変なこと。
数年かじった程度の投資で簡単に増やせると思うのは、正直おこがましい話です。
プロのファンドマネージャーでさえインデックスに勝ち続けるのは難しいのですから、投資は市場平均に任せて“寝て待つ”のが正解で、空いた頭と時間は事業や副業に回したほうがずっと合理的です。
利回りを追いかけるより、稼ぎを増やして、その分を淡々と全世界株インデックスに回すほうが、経済的自立には近道になります。
就業規則で副業禁止とあっても、それは家庭内ルールのようなもので、法律で禁じられていなければやっていい。
ただし黙ってやること、自分から自慢しないことです。
個人事業を持てば、家賃の一部を合理的に経費化でき、稼ぎが増えて税も減る、一石二鳥になります。
私自身も、お金はほとんどかけずにAIを相談役にして、いくつもの事業のアイデアを壁打ちしています。
この考え方は、私がリベシティで学んでたどり着いたものです。
なお、資産運用が主目的の法人で自宅を役員社宅にできるかは事業の実態次第でグレーな部分があるので、実行前にはリベシティの税理士など専門家に必ず確認してください。
まとめ|税だけで決めない、でも損は知っておく
家を買うか借りるか、個人か法人かは、本来は家族・キャリア・老後を含めた全体最適で決めるものです。
税金だけで決める話ではありません。
ただ、税に絞ると気づきがあります。
マイホームは超優遇に見えて、その多くが「利益が出てナンボ」の特例で、値上がりする家を買えなければ旨味は薄い。
一方で事業をやっている人は、家賃までコントロールして税を軽くしています。
いちばんもったいないのは、いちばん損な選択肢を、知らないまま選び続けることです。
まずは副業でも個人事業でも、小さく始めてみてください。
今日が、あなたの人生でいちばん若い日です。
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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