HDV毎月分配で新NISA対象外|だからオルカン1本でいい理由
HDV毎月分配で新NISA対象外|だからオルカン1本でいい理由
証券会社から「HDVの分配金が毎月払いに変わります」というお知らせが届いて、これは売った方がいいのだろうかと迷っていませんか。
結論から言います。
HDVは、今回の変更を理由に売る必要はありません。
そのうえで、新NISAで買う商品はオルカン1本でいい。
今日の話は、最後まで全部ここに繋がります。
金融機関に18年いて、40歳でセミリタイアした人間として、このニュースの本当の読みどころをお伝えします。
利回りの話ではありません。
「良い商品でも、制度からは外されることがある」という話です。
HDVは何も悪くなっていません
まずHDVを知らない方のために、簡単に。
正式名称はiシェアーズ・コア 米国高配当株ETF、運用しているのは世界最大級の運用会社ブラックロックです。
米国の高配当株に分散投資しますが、ただ利回りが高い銘柄を拾うのではなく、財務の健全性でふるいにかけて選ぶのが特徴で、組入は約75銘柄。
セクターはエネルギー・生活必需品・ヘルスケアといったディフェンシブ寄りで、ハイテクはほとんど入っていません。
経費率は年0.08%と低コストです。
2026年6月、このHDVの分配が年4回から毎月へ変更されました。
変わったのは分配の回数だけです。
組入銘柄も、連動する指数も、分配の原資も、何ひとつ変わっていません。
正直に言うと、僕もHDVを持っています。
買ったのは2020年10月、為替が1ドル105円前後だった頃で、その後に少し買い増しました。
特定口座で、いまも評価益が乗ったまま持っています。
売る予定はありません。
上昇相場ではS&P500に見劣りしますが、下落局面の値動きが比較的マイルドで、インカムを取りながら寝て待てる。
そういうキャラクターの商品です。
悪い投資先ではありません。
毎月分配の投資信託と、毎月分配のETFを一緒にしないでください
「毎月分配」と聞いた瞬間に身構えた方は、リテラシーがある方です。
ただ、ここは分けて考えてください。
日本で長年売られてきた毎月分配型の投資信託には、タコ足分配という問題がありました。純資産総額を削って分配金を出すので、基準価額がじりじり下がっていく。
投資家から預かったお金を、そのまま分配金として返しているだけです。
そのうえ信託報酬が高く、解約時にも手数料がかかるものまであった。
それでリターンは残らない。
これが「毎月分配=悪」というイメージの正体です。
基準価額が減っていく投資信託なんて、本来ありえません。
僕は金融機関で15年、保険を売っていました。
当時の店頭には、こういう高コストの商品しか並んでいない時代があったんです。
個人の悪意じゃない、構造の話です。
ただ、気づかないというのは、怖いんです。
一方でETFは、仕組み上タコ足分配ができません。
HDVも、AGGやBNDのような米国債券ETFも、原資からきちんと分配を出しています。
毎月分配でも中身が優良なETFは普通にあります。
同じ「毎月分配」という言葉で、まったく別のものを一緒にしないでください。
つまり今回のHDVは、分配金の支払い方法が変わっただけ。
商品が悪くなったわけではありません。
ここを勘違いして「持っているけど売った方がいいのかな」と思ったなら、それは勉強不足です。
勉強してください。
厳しく言いますが、大事なところなので。
本当に怖いのは「良い商品でも制度から外される」ことです
では何が問題なのか。
新NISAの成長投資枠は、毎月分配型の投資信託・ETFを最初から対象外にしています。
過去にタコ足分配で投資家が損をしてきた歴史があるから、長期の資産形成に向かない形式をまとめて弾いているわけです。
だからHDVは、中身が悪くなったからではなく、制度のルールに形式上合わなくなったことで、成長投資枠の対象から外れました(2026年7月時点)。
各証券会社はNISA口座での買付停止や注文の取消を案内しています。
すでにNISAで保有している分は非課税のまま持ち続けられるとされていますが、口座ごとの取扱いは必ずご自身の証券会社の公式告知で確認してください。
ここが今日いちばん伝えたいところです。
良い商品でも、制度のルールが変わらない限り、これからも外されることは起こります。
今回はNISAが始まって間もない時期だったから、まだ傷は浅い。
でも、もしあなたが60歳や70歳になったときに、ずっと置いておくつもりだった銘柄が突然対象外になったらどうでしょうか。
想定していないタイミングで枠から出され、特定口座に移る。
そこから受け取る分配金は非課税ではなくなり、配当所得として課税されます。
場合によっては確定申告の対象にもなります。
あなたの計画が、あなたのせいじゃない理由で崩れるんです。
新NISAはオルカン1本でいい。分配金が出ないことが強みです
だから僕は口を酸っぱくして言っています。
新NISAで買う商品は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)1本でいい。
理由はシンプルです。
オルカンは分配金を出しません。
出さないというのは、あなたの手元に来ないというだけの話で、中では配当がちゃんと再投資されています。
勝手に雪だるま式に増えていく。
そして分配金を出さないということは、毎月分配型のルールに引っかかりようがない。
制度から弾かれる理由そのものが存在しないんです。
中身も、勝手に成長していく優良企業がゴロゴロ入っています。
企業は利益を生み、それを自社株買いで株価に乗せるか、配当で出すかして株主に還元する。
その配当もファンドの中で再投資されて、また増えていく。
低コストで、純資産総額も十分に大きい。
文句のつけようがありません。
出口も自由です。
生活費が月30万円で、年金などを合わせて20万円なら、足りないのは10万円。
だったら10万円だけ売ればいい。
必要なときに必要な分だけ出せる。
これがパッシブな投資の強さです。
売るなと言っているわけではありません。
売るタイミングと金額を、制度や商品ではなく自分で決められる、と言っています。
実際に自分だといくら積み上がって、いくら取り崩せるのかは、新NISAつみたて&取り崩しシミュレーターに数字を入れて確かめてみてください。
なお、S&P500や先進国株式でも構いません。
純資産総額が大きい定番のインデックスファンドなら、この3つで結果はそんなに変わりません。
迷ったら3分の1ずつでもいいと思います。
用途で分けたい人、たとえば相続で受け取ったお金と、子どものために貯めるお金と、自分の老後資金を分けたいなら、この3本に分けて入れておけば管理も楽です。
迷ったら王道でいい。決めつける前に、まず調べる
ついでに言っておくと、新NISAでゴールドを買うのは僕は推奨しません。
ゴールドには利回りが付かないからです。
同じ量の金塊に、価格が上がって付いているだけ。
雪だるま式には増えません。
ゴールドという資産そのものを否定しているのではなく(僕自身は各アセットクラスの王道のひとつとして超長期で保有しています)、利回りが付かない資産をわざわざ非課税枠に入れる優先順位ではない、という話です。
純資産総額が小さいファンドも避けてください。
償還される可能性があります。
途中で償還されたら、コツコツ積み上げてきた非課税の計画がそこで終わる。
目も当てられません。
投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ、ギャンブルや借金はネガティブ。
利回りを0.5%高める工夫に頭と時間を使うより、仕事や収入をアクティブに動かして、オルカンに回せる金額を増やす方がずっと早いです。
正解はない、最適解はある。
僕自身は新NISAの初年度にVTIを買い、妻はVIGを買いました。
将来の私的年金として楽しみに持っている、実験のようなものです。
それでも「多くの人にとっての最適解は何か」と聞かれたら、迷わずオルカン1本でいいと答えます。
そして「自分には無理だ」と決めつける前に、まず調べてください。
僕が40歳でセミリタイアできたのは、2019年の老後2000万円問題をきっかけに保険以外の勉強を始め、リベシティの考え方に出会い、固定費を削ってオルカンに回しただけです。それだけです。
今日が、あなたの人生で一番若い日です。
今日も気を付けて行ってらっしゃい。
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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