借金の利回りは100%確定|住宅ローンと投資イールドギャップの罠
借金の利回りは100%確定|住宅ローンと投資イールドギャップの罠
「住宅ローンを返すより、投資に回した方がお金は増えるのでは?」——そう考えたことがある方に、先に結論をお伝えします。
借金の利回りは確定、投資の利回りは不確定です。
この2つを天秤にかける「イールドギャップ狙い」は、ほとんどの人には向いていません。僕は金融機関で18年働き、40歳でセミリタイアして丸4年になりますが、現在、借金はありません。
今日は「借金なし、人生最高」と言い切れる理由を、構造から順番にお話しします。
クレジットカードも、厳密には借金です
大前提として、物事は表裏一体です。
長所と短所が紙一重であるように、便利な仕組みにも裏側があります。
まず身近なところから見てみましょう。
クレジットカードです。
お店で払うときも、QRコード決済にチャージするときも、その場でお金は動いていません。
実際に引き落とされるのは翌月や翌々月。
つまり、その場で払っていないのであれば、厳密に言えばあれは借金です。
カードを使うなという話ではありません。
「自分はいま借金の仕組みを使っている」と知っているかどうかで、使い方が変わるという話です。
支払いがパンパンに溜まって無計画に分割払いやリボ払いに流れてしまう人は、まさにこの自覚がないまま借金を積み上げています。
借金には、慣れると思考を停止させてしまう魔力のようなところがあります。慣れって、怖いんです。
僕自身は、分割払い・リボ払い・キャッシングを人生で一度も使ったことがありません。
唯一の借金は、20年近く前に車を買ったとき、ディーラーさんに「少しでもローンを組んでもらえると本体を安くできる」とお願いされて借りた10万円だけ。
毎月引き落とされるのがどうにも嫌で、1〜2か月で残りをまとめて返しました。
以来ずっと借金ゼロ。
住まいは賃貸、車は手放して、いまは月々880円のカーシェア契約だけです。
3か月に2回ほどしか乗らないので、乗りたいときに乗れる権利としては痛くも痒くもない金額です。
所有ではなく利用に切り替えるだけで、借金の入口である大きな買い物そのものが減っていきます。
持ち家は「不動産投資」と同じ構造です
住宅ローンの話をします。
正直に言うと、僕は不動産の目利き力に自信がありません。
10年20年住んだあと、修繕費や固定資産税、ローンの利息まで全部含めてプラスで終えられる物件を見抜く自信がない。
だから持ち家を選んでいません。
そして、ここが本題です。
ローンを組んで買った家は、完済するまで本当の意味であなたのものではありません。
金融機関は抵当権を設定していて、返済が滞れば家を差し押さえられます。
さらに保証会社への加入を求められ、その保証料も、ローンの利息も、払うのは借りた本人です。
収入審査に通って、担保を差し出して、保証料まで負担する。
冷静に構造を見ると、借りる側は何重にも縛られているんです。
これは金融機関が悪いという話ではありません。
個人の悪意じゃない、構造の話です。
そして構造として、持ち家の購入は「レバレッジをかけた不動産投資」と同じです。
どうしても家が欲しいなら、それは感情で買っているのだと自覚したうえで買う。
それなら僕は反対しません。
イールドギャップの罠——確定と不確定を天秤にかけない
不動産投資では、元手1,000万円に銀行融資9,000万円を足して1億円の物件を買う、といったことが行われます。
元手の10倍の資産を動かすレバレッジです。
仮に利回りを5%と置けば、元手1,000万円のままなら年50万円のところ、1億円なら諸経費や金利を引いても数百万円規模になる。
だからみんな借金をしてでもやりたがるわけです。
個人版がイールドギャップ狙いです。
「住宅ローン金利は1〜2%、オルカンやS&P500の期待リターンは年5〜6%と言われる。なら繰り上げ返済せず投資に回した方が得」という理屈ですね。
僕は、ほとんどの人はやらない方がいいと思っています。
鋼のメンタルと十分な資産があって、自己責任でやれる人は止めません。
でも、ほとんどの人には向いていない。
理由は一つです。
借金の利回りは確定、投資の利回りは不確定だからです。
ローンの利息は、相場が上がろうが下がろうが、あなたの気分がどうだろうが、必ず発生します。
一方、株式のリターンは平均すればプラスでも、年によっては大きく上がる年もあれば、大きく沈む年もあります。
確定した支払いと不確定なリターンを天秤にかけた時点で、計算は成立しているようで、精神的には成立していないんです。
暴落の日に、何が起きるか
具体的に想像してください。
ローン残債が1,000万円。
繰り上げ返済に回せる1,000万円を「投資の方が利回りがいいから」と株式に置いていたとします。
翌日、大暴落で50%下がったら、投資分は一日で500万円です。
一方、残債の1,000万円は1円も減りません。
過去にはリーマンショックでS&P500が約57%下落した局面もあります。
暴落は来るか来ないかではなく、いつ来るかの世界です。
しかも一気に落ちるとは限らず、1〜2年かけてだらだら下がり続ける相場もあり得ます。入れても入れてもマイナス、という期間に耐えられるかが問われます。
このとき「安く買えてラッキー、口数が増える」と思えるなら続ければいい。
でもイールドギャップが目的になっている人は、下落そのものが目的の崩壊です。
焦って売り、確定した借金だけが残る。
これが一番怖いシナリオです。
そもそもオルカンやS&P500を買う目的は何だったのか。
資産形成のはずです。
イールドギャップという「お得さ」が目的にすり替わった瞬間、暴落はただの恐怖になります。
目的が資産形成なら、下落は安く仕込める期間に変わるのに、です。
だからいつも言っています。
明日50%下がっても生活が揺らがない金額で投資すること。
そして、マイナスが1〜2年続いても淡々と続けられる積立額にすること。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』では、S&P500を15年以上保有した場合、過去データ上は年率リターンがマイナスにならなかったと紹介されています。
背景を勉強して腹落ちしている人だけが、市場が一番暗いときの直後に来る「稲妻の輝く瞬間」まで持ち続けられるんです。
借金ゼロは「最悪でもゼロ」——あなたが最強のキャッシュマシーン
借金がなければ、大暴落で資産が大きく減っても、最悪でもゼロで止まります。
マイナスがない。
信用取引もFXもレバレッジ商品もやっていなければ、追証も発生しません。
ゼロなら、そこからまた始められます。
首根っこを掴まれていない状態、これが本当に気楽なんです。
そしてもう一つ、大事な話をします。
定期収入がある皆さん自身が、不景気に一番強いキャッシュマシーンです。
暴落の局面では債券すら下がることがありますが、皆さんの給料は簡単には下がりません。借金がなく、毎月の収入の範囲で生活できていれば、暴落の日にも「積立は続く、生活も回る、確定する損は何もない」と構えられる。
僕はセミリタイアでその最強のキャッシュマシーンを手放しましたが、借金がないからこそ、この配信が続けられないほどお金に困る事態になっても誰にも迷惑をかけず、ゼロからまた始められる環境に身を置けています。
最後に一つだけ、僕の見立てを添えます。
日本はここから金利が上がっていく可能性が高いと僕は見ています。
急激な暴騰・暴落を煽るつもりはありません。
ただ、じわじわボディブローのように効いてくる可能性はある。
変動金利で借りている方は「そんなに上がらないでしょ」と決めつけず、計画的に備えておいた方がいいと思います。
ご利用は計画的に、です。
まとめ:足枷のない人生を選ぶ
借金をしている人が悪いという話ではありません。
人生に正解はない、最適解はある。
ただ、確定と不確定を天秤にかけない、自分に足枷をはめない生き方は、間違いなく楽です。
投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ、ギャンブルや借金はネガティブ。
僕はこの順番で生きています。
今日の一歩はこれだけです。
クレジットカードの分割・リボ・各種ローンの残高を、紙1枚に書き出してみてください。自分がいま、いくら「確定した支払い」を抱えているかを知ること。
現状を数字で直視することが、お金に困らない人生への最短ルートです。
そこからすべてが始まります。
今日が、あなたの人生で一番若い日です。
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増やすちから
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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