会社員が自営業より信用される理由は3つの盾|信用の正体は構造

「会社員を辞めたらクレジットカードが作れなくなった」という話、聞いたことはありませんか。

結論から言います。

会社員が自営業やフリーランスより信用されるのは、人柄でも真面目さでもなく、毎月決まった給料が入るという「回収の目処」があるからです。

個人の評価じゃない、構造の話です。

私は信用金庫3年、郵便局15年の金融18年を経て、40歳で退職して法人を持つ側になりました。

貸す側と借りる側、雇われる側と自営の側、両方を見てきた立場から、この「信用の正体」を分解していきます。

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会社員が信用される正体は「毎月の給料」という構造です

まず大前提として、働くという行為の中身は、会社員も自営業もフリーランスも変わりません。

会社員は会社と雇用契約を結び、自営業は取引先と業務の契約を結ぶ。

形は違っても、誰かと誰かが契約でつながって対価を得ている点は同じです。

それなのに、ローンやクレジットカードの審査になると、会社員のほうが圧倒的に通りやすい。

理由はシンプルで、銀行が見ているのは「貸したお金を回収できるか」だけだからです。

毎月決まった日に決まった額の給料が振り込まれる会社員は、回収の目処が立てやすい。

売上が月ごとに上下する自営業は、目処が立てにくい。

それだけです。

さらに日本の労働法制は従業員を強く守る仕組みになっていて、一度雇った社員は簡単には辞めさせられません。

つまり「来月も給料が入る確率」が制度的に高い。

会社のブランドと法律、この二つに守られているのが会社員なんです。

郵便局と名乗ればドアを開けてもらえるのに、知らない会社名では開けてもらえない。

あれもブランドという信用の力です。

住宅ローンが銀行に好かれる理由は「3つの盾」

信用の構造が一番よく見えるのが住宅ローンです。

住宅ローンって、他のローンより金利が低いですよね。

それでも銀行は住宅ローンが大好きです。

なぜか。

何重にも保証がついたストック型ビジネスだからです。

盾は3つあります。

1つ目の盾が、借りた本人の給料。

毎月の安定収入です。

2つ目の盾が、土地と建物への抵当権。

本人が返せなくなっても、物件を担保として押さえられます。

3つ目の盾が、保証会社。

審査の段階で保証会社を通すので、最悪の場合もそこが肩代わりします。

この3枚の盾で守られたうえで、30年、35年という超長期にわたって、毎月利息がチャリンチャリンと入り続ける。

しかも多くの人が変動金利で借りています。

金利のある世界に戻りつつある今、変動金利が上がれば銀行の利息収入はさらに増えていく。

貸す側から見れば、これほど手堅い商売はなかなかありません。

ここで「銀行ばかりずるい」と嘆く必要はありません。

仕組みが優秀だと思うなら、客の側ではなく株主の側に回ればいいんです。

全世界株のインデックスファンドを持てば、世界中の銀行の株主にもなれます。

チャリンチャリンの受け取り手に回る。

発想の転換ひとつです。

そして、この1つ目の盾を持てないのが自営業です。

だから会社員のほうが審査に通りやすい。

繰り返しますが、あなたの人間性の話ではなく、盾の枚数の話なんです。

会社員は債券、自営業は株式です

投資をやっている方向けに例えるなら、こうなります。

会社員は債券、あるいは減配しにくいディフェンシブな高配当株。

自営業やフリーランスは、値動きの大きい株式です。

債券は額面と利回りが決まっていて、毎回決まった利息が入ってきます。

会社員の給料とそっくりですよね。

毎月決まった日本円を生み出すキャッシュマシーンです。

一方、フリーランスの収入はキャピタルゲイン型。

当たれば半導体株やAI関連株のようにガーンと跳ねますが、外れればバコーンと落ちる。上下が激しいわけです。

この差は、担保の世界では「担保掛け目」という数字にはっきり表れます。

金融機関がお金を貸すとき、担保に入れた資産を額面どおりには評価しません。

安全性の高い債券ほど高く、値動きの大きい株ほど低く見積もられます。

例えば、証券決済を担う日本証券クリアリング機構は、上場株式等の担保掛け目を70%に設定しています(2026年時点・同機構公式サイトより)。

100万円分の株を差し出しても、70万円分としてしか評価されないということです。

国債のような安定資産はこれより高く評価され、値動きの荒い銘柄はさらに低く見られる。掛け目の細かい水準は金融機関ごとに異なりますが、「安定しているものほど信用が高い」という序列は共通です。

銀行が欲しいのは一発の大きなリターンではなく、毎月確実に入ってくる安心です。

だから債券型の会社員が好かれる。それだけの話です。

そしてこの見方は、資産運用にもそのまま応用できます。

会社員は自分自身がすでに債券のような存在です。

毎月決まった利息、つまり給料を生んでくれる。

だからこそ金融資産の側では、値動きを受け入れて全世界株のインデックスをコツコツ積み立てる余地が生まれます。

逆に収入が株式のように上下する自営業の方は、生活防衛資金を厚めに持つなど、資産側で安定を補う設計が合理的です。

自分という人的資本が債券なのか株式なのか。

ここを把握しておくと、投資の設計図はぐっと描きやすくなります。

自営業でも信用はつくれます

じゃあ自営業は詰んでいるのかというと、そんなことはありません。

事業がある程度軌道に乗ってきた方なら、マイクロ法人という選択肢があります。

自分で法人をつくり、その役員に就く。

役員報酬という形で毎月決まった額を受け取れば、構造上は「毎月定額が入る人」になります。

審査のときは、個人事業の所得と法人からの役員報酬を合算して総収入として伝えればいい。

1つ目の盾を、自分で鍛冶屋のようにつくるイメージです。

私自身、退職後に法人を持ちましたが、審査の細かい採点基準は金融機関の中の人でも末端には開示されていないものです。

だからこそ、相手が見ている「構造」を理解して、そこに合わせて自分の見せ方を整えることに意味があります。

なお、法人をつくれば社会保険料や税金の設計も変わってきますので、実行する前には税理士など専門家への確認をおすすめします。

信用されるからといって借りていいわけではありません

ここまで会社員の信用力の話をしてきましたが、勘違いしてほしくないのは、私は「会社員のほうが偉い」とも「会社員なら住宅ローンを組むべき」とも思っていない、ということです。

借金は極力しないほうがいい。

これが基本です。

そして自宅の購入は、実質的には不動産投資と同じです。

銀行に好かれる商品だからこそ、借りる側は慎重になってください。

審査に通ることと、その借金があなたの人生にとって最適解であることは、まったく別の問題です。

ちなみに我が家は、住宅ローンを組まず賃貸を選び、車も手放しました。

固定費という毎月の出血を止めて、浮いたお金を積み立てに回す。

この地味な選択の積み重ねが、40歳でのセミリタイアにつながりました。

持ち家が悪いという話ではありません。

「審査に通るから買う」ではなく、「自分の人生設計に合うから買う」の順番で考えてほしい、ということです。

正解はない、最適解はある。

この言葉を思い出してください。

まとめ:稼ぐ力はアクティブに、投資はパッシブに

会社員が信用されるのは、毎月の給料という1つ目の盾があるから。

住宅ローンは3つの盾で守られた銀行のストックビジネス。

会社員は債券、自営業は株式。

すべて構造の話でした。

だからこそ会社員の方に伝えたいのは、今の会社にずっといられるとは思わないでほしい、ということです。

いつ辞めても食べていけるように、副業などで稼ぐ力を育てておく。

稼ぐ力はアクティブに磨き、投資はパッシブに淡々と積み立てる。

この組み合わせが、お金に困らない人生への一番の近道です。

会社の盾は、いつか自分から置いていく日が来るかもしれません。

そのときに慌てないよう、盾に守られている今のうちに、自分の足で立つ準備を少しずつ進めておく。

70点で十分です。

気張らなくていい。

今日が、あなたの人生で一番若い日です。

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※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。

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はじめまして、鼻つぶれぱぐ男です。 「一人でも多くの人がお金に困らない人生を送れるように」をコンセプトに、新NISA・インデックス投資・固定費削減・保険の見直しなど、シンプルで再現性の高いお金の話を発信しています。 40歳でアーリーリタイアを達成。難しい金融知識ではなく、普通の人が実践できる方法にこだわってお伝えしています。ブログ・YouTube・音声配信・noteでも情報発信中です。ぜひあわせてご覧ください!
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