個人情報流出が続く今やる対策5つ|リンクは公式でも押さない
個人情報流出が続く今やる対策5つ|リンクは公式でも押さない
個人情報の流出のニュースが、業種を問わず続いています。「自分も何かやった方がいいのかな」と思った方へ。
先に結論を言います。
個人情報は、もう漏れている前提で動いてください。一番効く守りは、メールやSMSのリンクを、公式から来たものでも押さないことです。
きっかけは、僕が会員だったタイムズカーの漏えいです。でも、どこか1社だけの話ではないので、自分の守りを全部見直しました。
設定ページには公式のURLを貼りました。メールや広告からではなく、この記事のリンクから入ってください。
流出はどの会社でも起きる。だから漏れた前提で「盾」を固める
報道では、ヤマト運輸や佐川急便、セコマ、焼肉きんぐなど、業種を問わず個人情報流出のおそれが続いています。ニッポンレンタカーのアプリでも、41人分の情報が見られたおそれがあり、免許証の情報も含まれると報じられました。
僕が会員だったタイムズカーでは、約660万アカウントの情報が取られ、そのうち約160万件は免許証の画像まで漏れました。退会した人も含まれます。
顔写真があれば、AIで本人そっくりの画像や動画も作れる時代です。報道では、ハッカー集団が作業をAIに任せてから、攻撃の件数が2倍以上に増えたという調査もあります。僕が毎日使うClaudeも、悪用された事例を開発元のAnthropicが自分で公表しています。
AIは産業革命です。守る側にも、攻める側にも。
漏れた情報は取り戻せません。だから、漏れても自分のところまで来させない「盾」を固めます。
三匹の子豚でいえば、わらの家をレンガの家に建て替えるイメージです。
注意が1つ。流出のニュースの後は、「セキュリティを強化しよう」という広告やメールが増えます。不安につけ込む人がいるので、広告やメールからは絶対に入らないでください。
漏れる仕組みそのものは、前にこちらに書きました。
僕がやった対策は、次の5つです。
▼この章で参考にした一次情報
・タイムズモビリティ「『タイムズカーWebシステム』への不正アクセスに関する調査結果および今後の対応について(第2報)」2026年9月28日(10月1日更新)
・同(第3報)2026年9月29日(10月1日更新)
・Anthropic「Disrupting the first reported AI-orchestrated cyber espionage campaign」2025年11月13日
・報道:北海道新聞 社説(2026年10月6日)、Impress Watch(2026年9月29日)、Bloomberg配信・Taipei Times掲載(2026年8月26日)
対策①入口を断つ:メールやSMSのリンクは公式からでも押さない
一番大事なのは、メールやSMSのリンクを押さないことです。
被害の入口の多くは、リンクから偽サイトに行き、IDとパスワードを入れてしまうことです。押した先でパソコンやスマホを乗っ取られると、中の情報をまるごと抜かれます。
金融庁も、知っている相手からのメールやSMSでも、リンクは開かないよう呼びかけています。漏えいが起きたタイムズカーも、自社を名乗るメールや電話への注意を呼びかけています。
じゃあ、どこから入るか。
1つ目は、ブックマークです。
銀行や証券会社は、一度だけ自分で調べた正しいURLをブックマークに入れ、次からはそこから入ります。
2つ目は、AIに聞くことです。
Claudeなどに「〇〇証券の公式ログインページのURLを出して」と頼むか、怪しいメールのスクショを見せて「これ大丈夫?」と聞きます。AIも間違えるので、出てきたURLは検索結果の公式サイトと見比べてください。
僕はキャリアメールをやめて、Gmailに集約しました。迷惑メールをしっかり分けてくれるので、怪しいメールがほとんど届きません。無料なので、誰でもできます。
電話も同じです。「あなたの情報が漏れました」とかけてくる詐欺も考えられ、本人より家族が危ないこともあります。警察庁が推奨する詐欺対策アプリは、偽アプリを避けるため、警察庁のページから入れてください。
固定電話の対策は、こちらの記事にまとめています。
光回線の営業電話、狙われるのは親|実家の固定電話を守る5つの対策
▼この章で参考にした一次情報
・金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」2026年10月9日更新
・タイムズモビリティ「タイムズカーWebサイトへの不正アクセスに関するご質問と回答」2026年10月16日最終更新、「『タイムズカーWebシステム』への不正アクセスに関する対応について(第4報)」2026年10月16日
・警察庁「警察庁推奨アプリ」
対策②合鍵を守る:GoogleとAppleとお金まわりは二段階認証とパスキー
GoogleとAppleのアカウントは、いろんなサービスの扉をまとめて開ける合鍵です。「Googleでログイン」「Appleでサインイン」を使っていれば、なおさらです。
破られたら、全部まとめて開けられます。
GoogleとApple、銀行・証券・カードは、二段階認証とパスキーを設定できるものは全部設定してください。
二段階認証は、パスワードに加えて、スマホでの確認などもう1つの鍵を足す仕組みです。パスキーは、パスワードの代わりに指紋や顔で入る仕組みで、Googleもフィッシングへの守りが強くなると案内しています。
Googleの設定は、ここから入れます。
Googleアカウント:2段階認証プロセスの設定(Google公式)
iPhoneは「設定」→自分の名前→「サインインとセキュリティ」で、Apple Accountの2ファクタ認証を確かめられます。
Apple Accountの2ファクタ認証(Appleサポート公式)
証券会社でも、パスキーのようなフィッシングに強い認証を必須にする動きが進んでいます。金融庁は、使っている証券会社で始まったら、すぐ設定するよう求めています。
「パスキーが破られた」という話もありますが、金融庁が挙げる被害の入口は、偽サイトで盗まれたIDとパスワードです。パソコンを乗っ取られたらどんな鍵も意味がないので、最後は対策①に戻ってきます。
▼この章で参考にした一次情報
・Google アカウント ヘルプ「2 段階認証プロセスを有効にする」「パスワードの代わりにパスキーでログインする」
・Apple サポート「Apple Accountの2ファクタ認証」
・金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」2026年10月9日更新
対策③④1Passwordで総点検し、使っていない口座とアカウントは消す
パスワードは1Passwordという管理アプリに一本化し、中身を総点検しました。GoogleやiCloudのパスワード管理も無料で優秀ですが、僕はここはお金をかけていい所だと考えています。
ただ、一番言いたいのはここです。
1Passwordは、入れただけでは意味がありません。
中身が使い回しのままなら、危ないままです。総務省も、どこかで漏れたIDとパスワードで、ほかのサービスへのログインを試す手口があると注意しています。
点検に使うのが、1Passwordの「ウォッチタワー」です。使い回しや弱いパスワード、二段階認証やパスキーを設定できるのにまだのサイトを、一覧で教えてくれます。
僕は前に使っていたGoogleパスワードマネージャーの中身を全部移して、ここで点検しました。使うサイトは新しいパスワードに変え、お金とメールのサービスから順にパスキーや二段階認証も設定しました。使わないサイトは退会です。
変更画面が分かりにくいサイトは、「パスワードを忘れた」から再設定すると早いです。保存したURLからそのまま公式サイトに飛べるので、ブックマーク代わりにもなります。消すか迷うものは「アーカイブ」に入れれば、検索や自動入力に出なくなり、あとで戻せます。
1Passwordも、広告ではなく公式サイトから入れてください。
同じ考え方で、使っていない銀行口座やクレジットカードも解約しました。普段見ない口座から使われたら、気づけないからです。
普段使いの口座とカードに絞れば、見張る場所が減って、不正にすぐ気づけます。
将来の終活にもなるので、若いうちにやっておくのがおすすめです。
▼この章で参考にした一次情報
・総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト「推測できる簡単なパスワードを利用しないようにしよう」
・1Password Support「Use Watchtower to find account details you need to change」「Archive or delete items」
対策⑤心配な人は信用情報機関に目印。身に覚えのない請求も放置しない
心配な人は、信用情報機関に「本人申告」という目印を付けておけます。全員に必須ではありません。
免許証の画像が悪用されると、知らない間に自分の名義でカードを作られたり、お金を借りられたりするおそれがあります。本人申告は、「本人確認書類が漏れたおそれがある」といった目印を自分の信用情報に付けておき、カードやローンの審査で会社に慎重に判断してもらう仕組みです。
僕は3か所に登録して、合計2,200円でした。
ただ、審査の参考になるだけで、悪用を止める保証はありません。全国銀行個人信用情報センターは預金口座を作るときは照会されないと案内していて、自分でカードやローンを申し込むときも慎重に見られます。
それでも出したのは、画像を送るだけの本人確認がまだ残るからです。携帯電話のオンライン契約では2026年3月末で終わりましたが、銀行や証券会社で画像を送る方法が廃止されるのは2027年4月1日です。顔はAIで作れる時代なので、カードもローンも作る予定がない僕には安い安心でした。
申し込みは今、殺到しています。僕もJICCでうまくログインできないことがあり、CICは手持ちのカードが通らずスマホ決済に切り替えました。
集団訴訟は、時間と手間に見合わないので僕は申し込みません。
身に覚えのない請求が来たら、払わず、放置もしないでください。申し込んでいない契約は原則として成立していませんが、個別の事情で話が変わるので、困ったら弁護士などの専門家に確認します。
連絡は、請求書やメールの番号・リンクではなく、公式サイトで自分で調べた窓口へ。申し込みの記録を見せてもらい、信用情報も開示して確かめ、警察の相談専用電話#9110や消費者ホットライン188に相談します。
裁判所の「支払督促」だけは、絶対に放置しないでください。
受け取ってから2週間以内に異議を出さないと、相手は強制執行に進めます。国民生活センターによると、裁判の訴状は「特別送達」の封書で郵便局の人が手渡すのが原則で、ハガキでは来ません。本物か確かめるときも、書類の番号ではなく自分で調べた裁判所に問い合わせます。
▼この章で参考にした一次情報
・日本信用情報機構(JICC)「本人申告コメント」「本人による届出」
・シー・アイ・シー(CIC)「本人申告とは」「インターネットで本人申告する」
・全国銀行個人信用情報センター「本人申告の手続き」
・ソフトバンク「省令改正に伴う非対面モバイル契約時のご担当者さま本人確認手続き方法変更のお知らせ」2026年1月1日
・渥美坂井法律事務所「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の改正 ~本人確認方法の新設と廃止~」2025年9月19日
・政府広報オンライン「暮らしの相談窓口(防犯)」
・消費者庁「消費者ホットライン」
・裁判所「支払督促」「裁判所の手続を悪用した架空請求等にご注意ください。」
・国民生活センター「たとえ桐花紋が入っていても架空請求ハガキは無視してください!」2019年2月22日
まとめ:漏れても、自分のところまで来させない
預けた情報は、どこからでも漏れえます。だから漏れた前提で、盾を固めます。
①リンクは公式からでも押さない
②合鍵のGoogleとAppleとお金まわりに二段階認証とパスキー
③1Passwordで使い回しを潰す
④使わない口座とアカウントは消す
⑤心配なら本人申告
の5つです。
全部を一度にやらなくて大丈夫です。70点で十分です。
今日やることは1つ。上のリンクから、Googleアカウントの2段階認証がオンになっているかを確かめてください。
▼お金を守る話をもっと読みたい方はこちら
▼参考資料(2026年10月21日確認)
・タイムズモビリティ「『タイムズカーWebシステム』への不正アクセスに関する調査結果および今後の対応について(第2報)」2026年9月28日
https://share.timescar.jp/news/2026/0928/1815.html
・同(第3報)2026年9月29日
https://share.timescar.jp/news/2026/0929/1816.html
・同「『タイムズカーWebシステム』への不正アクセスに関する対応について(第4報)」2026年10月16日
https://share.timescar.jp/news/2026/1016/1826.html
・同「タイムズカーWebサイトへの不正アクセスに関するご質問と回答」2026年10月16日最終更新
https://corp.timescar.jp/mail/announce/faq.pdf
・Anthropic「Disrupting the first reported AI-orchestrated cyber espionage campaign」2025年11月13日
https://www.anthropic.com/news/disrupting-AI-espionage
・金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」2026年10月9日更新
https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/chuui_phishing.html
・Google アカウント ヘルプ「パスワードの代わりにパスキーでログインする」
https://support.google.com/accounts/answer/13548313?hl=ja
・総務省「推測できる簡単なパスワードを利用しないようにしよう」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/security/end_user/general/01/
・1Password Support「Use Watchtower to find account details you need to change」
https://support.1password.com/watchtower/
・渥美坂井法律事務所「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の改正 ~本人確認方法の新設と廃止~」2025年9月19日
https://www.aplawjapan.com/application/files/5917/5825/0673/Newsletter_FIN_024.pdf
・政府広報オンライン「暮らしの相談窓口(防犯)」
https://www.gov-online.go.jp/kurashinosodan/list/ct_bouhan.html
・裁判所「裁判所の手続を悪用した架空請求等にご注意ください。」
https://www.courts.go.jp/about/topics/kakuuseikyuu/index.html
・国民生活センター「たとえ桐花紋が入っていても架空請求ハガキは無視してください!」2019年2月22日
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190222_1.html
※タイムズカーの発表は、2026年10月16日の第4報までの内容です。次回の案内は10月23日の予定と発表されています。
※数字は過去の実績で、将来の成果を約束するものではありません。
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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