老後資金は使い切れない?月5万円の新NISA取り崩しを90歳まで試算

「老後のためにいくら貯めればいいのか」。

この問いを数え始めると、キリがなくて不安になりますよね。

結論から言います。

コツコツ積み立ててきた人の老後資金は、意外と使い切れません。

足りなくなる心配より、使い切れずに残してしまう可能性のほうが、実は高いんです。

私は新NISAの積立と取り崩しをひとつの画面で試算できるシミュレーターを自作し、計算の上限をあえて90歳に設定しました。

この記事では、その試算結果と「90歳で区切った理由」をお話しします。

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老後資金は意外と使い切れないという現実

書籍『DIE WITH ZERO』でも紹介されているように、米国では資産形成がうまくいった人ほど、取り崩しができずに資産を残したまま亡くなっているという調査があります。

「老後資金が足りない」と騒がれる一方で、実際に多いのは使わなすぎる人のほうなんです。

頑張って貯めた人ほど、そのお金を自分の幸せに変換できないまま終わってしまう。

もったいない話だと思いませんか。

米国は資産運用の普及で、日本より何十年も先を行っている国です。

新NISAで日本の資産形成が進めば、この配信やブログを読んでくださっている皆さんも、同じ状況になり得ます。

つまり「貯められない不安」の次に来るのは、「貯めたのに使えない」という問題です。

貯蓄性のある人は、いい意味で変わりません。

貯める習慣が身についた人は、取り崩す段階になっても貯め続けてしまいます。

私自身、いつも配信で「貯めるより使うほうが難しい」とお伝えしていますが、これは精神論ではありません。

取り崩しの正解が見えないまま老後を迎えると、怖くて使えないのは当然の反応です。

だからこそ、数字で「どれだけ残るのか」を先に見ておく必要があるんです。

実は今回のシミュレーター、探しても「これ」というものが見つからなかったから作りました。

積立フェーズの試算ツールはたくさんあります。

最近は取り崩しの試算ツールも増えてきました。

ところが、積立と取り崩しをひとつの画面で通して見られるサイトが、どうにも見当たらなかったんです。

人生のお金は「貯める30年」と「使う25年」がつながって初めて全体像になります。

別々のツールを行き来して数字を転記するのは面倒ですし、途中で計算の前提がズレる原因にもなります。

月5万円の積立が90歳で8,532万円残る試算

実際に数字を見てみましょう。

自作のシミュレーターに、次の条件を入れてみます。

数字が苦手な方も、結果の2つだけ覚えて帰ってください。

35歳から毎月5万円を積み立て、想定利回りは低めの年5%。

この条件だと65歳時点で元本1,800万円、運用益2,361万円、合計4,161万円になります。

月5万円でも、新NISAの生涯投資枠1,800万円を30年かけて埋める計算です。

ここからが本題の取り崩しです。

65歳から毎月10万円ずつ、公的年金に上乗せする形で取り崩します。

取り崩し中も同じ年5%で運用が続くと仮定すると、90歳時点でいくら残っていると思いますか。

答えは約8,532万円です。

25年間、毎月10万円使い続けても、減るどころか増えているんです。

取り崩す額より運用益のほうが大きい期間が長く続くので、資産の山がなかなか小さくならない。

これが複利の出口側の姿です。

では取り崩しを毎月20万円に倍増したらどうか。

それでも90歳時点で約2,576万円残ります。

もちろんこれは想定利回りに基づく試算で、将来の運用成果を保証するものではありません。

ただ、パッシブ運用で必要な分だけ取り崩すという王道の使い方をする限り、老後資金は思っているより枯渇しない。

この感覚を数字で持てるかどうかが、大きな分かれ目です。

ご自身の年齢と金額でどうなるかは、新NISAつみたて&取り崩しシミュレーターで試算できます。

1歳刻み・自由な金額で計算できるので、ブックマークして家計の定点観測に使ってください。

使い方はもちろん自由ですが、年に一度、家族でこの数字を眺める時間を作るのがおすすめです。

わが家も半年に一度、夫婦で資産の報告会をしています。

資産がいくらあっても不安は消えません

ここで、リタイア5年目の私の正直な結論をお伝えします。

資産が1億円あろうが、2億円あろうが、3億円あろうが、お金の不安は消えません。

リタイアする前も、した後も、資産が増えていっても、不安はゼロにはなりませんでした。リタイア前は「辞めたら不安になるのでは」と思っていましたが、実際は辞める前から不安はありましたし、辞めた後も形を変えて残り続けています。

金額の問題ではなく、人間はそういう生き物なんです。

だったら、不安は消えないものとして付き合うほうが合理的です。

むしろ「いつまで経っても不安が消えないなら、それはもう標準装備だ」と割り切ったほうが、よほど健全にお金と向き合えます。

100歳まで、110歳まで、120歳までと計算の寿命を延ばしていけば、必要額はいくらでも膨らみます。

不安を燃料に計算を延ばすのは、不安の先送りでしかありません。

金融機関で18年働いた立場から言うと、不安を煽る商品ほど売れるという構造があります。

個人の悪意ではなく、構造の話です。

長生きへの不安で必要額を大きく見せれば、商品は売りやすくなる。

証券会社のシミュレーターに自社商品への導線が組み込まれるのも、同じ理屈です。

だからこそ、営業の思惑が一切入らない、純粋な計算だけのシミュレーターが欲しかったんです。

なお、インフレを踏まえた生活費の推移まで細かく見たい方は、リベシティの「人生逃げ切り計算機」も参考になります。

人生逃げ切り計算機|リベラルアーツ大学

私自身、リベシティで学んだ固定費削減と全世界株インデックス投資が、資産形成の土台になっています。

シミュレーターの上限を90歳にした理由

市販の試算ツールには100歳や110歳まで設定できるものもありますが、私はあえて90歳で区切りました。

理由はシンプルで、寿命を延ばして計算しても、不安が増えるだけで今日の行動が変わらないからです。

平均寿命から考えれば、多くの人は90歳から100歳の間のどこかで人生を終えます。

私は45歳なので、もう人生の半分まで来ています。

残り半分をどう使うかを考えたとき、「120歳まで持つか」を計算するより、「90歳までに使い切れるか」を計算するほうが、行動につながります。

上限を区切るのは、寿命を軽く見る話ではありません。

コントロールできない未来を数え続けるのをやめて、コントロールできる今日の配分に頭を切り替えるための設計です。

80歳、90歳で1億円持っていて、どうするんですか。

高級老人ホームに入りたいという明確な目的があるなら、それでいいんです。

でも、若いうちの旅行や家族との時間を犠牲にして貯めたお金が、使えない年齢になってから残っているだけなら、それは最適な配分とは言えません。

「今も幸せ、将来も幸せ」に近づく見直し方

試算して「思ったより残る」と分かったら、今の貯蓄率を少し見直してください。

行きたかった家族旅行、みんなで座れるソファ、大きなテレビ。

家族の幸福度が上がる支出なら、削る必要はありません。

逆に「このままだとまずい」という結果が出たら、無駄な固定費を見直すきっかけにすればいいんです。

保険や通信費など、毎月自動で出ていくお金から手をつけるのが王道です。

私も昔は月5〜6万円の医療保険や貯蓄型保険を払っていましたが、全部解約して積立に振り替えました。

一度見直せば、あとは自動で効き続けるのが固定費削減の強みです。

積立の優先順位も迷わなくて大丈夫です。

毎月15万円以上積み立てられない人は、新NISAだけで十分。

iDeCoやその他の制度は、新NISAを無理なく続けたうえで余裕がある人の選択肢です。

あれもこれもと口座を増やすより、生活に無理のない積立額をひとつの制度で淡々と続けるほうが、途中でやめない分だけ結果につながります。

夫婦なら月10万円を30年続ければ、二人分の生涯投資枠が視野に入ります。

投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ、ギャンブルや借金はネガティブ。

増やす仕組みはオールカントリーのような全世界株インデックスに任せて、頭と時間は「今をどう幸せに使うか」に使ってください。

試算の数字はあなたの家計の通信簿ではなく、今日の使い方を決めるための地図です。

正解はない、最適解はある。

今日が、あなたの人生で一番若い日です。

※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。

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はじめまして、鼻つぶれぱぐ男です。 「一人でも多くの人がお金に困らない人生を送れるように」をコンセプトに、新NISA・インデックス投資・固定費削減・保険の見直しなど、シンプルで再現性の高いお金の話を発信しています。 40歳でアーリーリタイアを達成。難しい金融知識ではなく、普通の人が実践できる方法にこだわってお伝えしています。ブログ・YouTube・音声配信・noteでも情報発信中です。ぜひあわせてご覧ください!
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