円へのリスク100%を避ける 日本人がドル資産を持つ2つの理由
円へのリスク100%を避ける 日本人がドル資産を持つ2つの理由
新NISAでオルカンやS&P500を積み立てているあなたに、一つ質問です。
もし円建ての資産しか持っていないなら、それは日本円に対してリスク100%の状態だと気づいていますか。
結論から言います。
日本人こそ、ドル資産を持つべきです。
理由は2つだけ。
①ドルが世界の基軸通貨だから。
②あなた自身が日本円を生み出す「キャッシュマシーン」だからです。
今日はこの2つを、頭の整理をしながら順番に話していきます。
誰かの投資法を否定したいわけではありません。
投資も人生も、正解はなく最適解がある。
その最適解に一歩でも近づくための話です。
円だけで資産を持つと、日本円へのリスクが100%になる
まず大前提から。日本に住んでいて、日本株や個人向け国債など、円建ての資産しか持っていない人がいたとします。
この状態は、日本円という一つの通貨に、資産の100%を賭けているのと同じです。
細かいことを言えば、日本企業の中にもグローバルに稼ぐ会社はあります。
だから「すべてが円に集中している」とまでは言いません。
ただ、日本企業も最終的には日本円を稼ぐ形になるので、結局その人の資産は日本円に大きく偏ります。
円だけに偏っていると、円安の局面で困ります。
円の価値が下がっているのに海外資産を持っていないので、為替の恩恵をまったく受けられません。
かといって円高になればいいかというと、日本株は米国株など海外の株式に引っ張られる面もあり、そちらも手放しでは喜べない。
ドル高で嬉しい人も、円高で嬉しい人も、円だけに固めていると、どちらの局面でも中途半端になりがちなんです。
どちらに転んでも、一つの通貨に集中しているのは分散ができていない状態。
たとえば、退職金も貯金も、日本で働いて得たものはほぼ円建てです。
そこに気づかないまま「日本株だけ」で投資していると、円への集中はさらに強まります。まずはこの「円へのリスク100%」という事実を、頭に入れておいてください。
理由①ドルは基軸通貨だから、円高でも円安でも対応できる
一つ目の理由は、ドルが基軸通貨だからです。
世界のいろいろなものの中心は、まだまだ米国です。
これから先も米国が中心であり続けるかは、正直「なんとも言えない」というのが本音です。
でも、当分アメリカが中心だという事実は、そう簡単には変わらないと思います。
そして、こういう未来をあれこれ予想しにいかないことが、実はとても大事なんです。
だからこそオルカンです。
仮にアメリカの投資比率が下がっていくとしても、オルカンは勝手にリバランスして、その時々の強い国の比率を自動で組み込んでくれます。
強い国の通貨に、そのまま乗っていける。
今この瞬間、世界の中心は円ではなくドルです。
ドルという基軸通貨を自分のポートフォリオに入れておく。
そうすれば、円高になろうが円安になろうが、ドル高になろうがドル安になろうが、どちらに転んでも対応できます。
最適解を取りやすい状態を、自分の手であらかじめ作っておく。
これが一つ目の理由です。
ここで一つ、大きな誤解を解いておきます。
「オルカンやS&P500は日本円で買えているから、これも円資産でしょ」と思っている人がいます。
違います。
オルカンの中身は、日本株がおよそ5%、残りの約95%は海外資産です(比率は目安)。
日本円で買っていても、中身の大半はドルをはじめとする外貨建ての資産なんです。
この一点を勘違いしていると、話が根本からずれてしまいます。
逆に言えば、オルカンを積み立てるだけで、あなたは自然とドル資産の持ち主になれる。
難しい外貨預金やドル建て商品に手を出さなくても、基軸通貨をポートフォリオに組み込めるということです。
理由②あなた自身が「日本円を生み出す債券」だから
二つ目の理由。
これが今日の本題です。
あなた自身が、日本円を生み出すキャッシュマシーンだからです。
有名な投資の考え方に、「自分自身は債券のようなものだ」というものがあります。
どういうことか。
会社員の方なら、毎月の基本給はそう大きく変わりませんよね。
一年経てば昇給があり、管理職手当がついたりして、ベースは少しずつ上がっていく。
この安定して入ってくるお給料は、いわば債券の利子、配当のようなものなんです。
試算してみましょう。
あくまで目安ですが、月収30万円、年収にして360万円の方がいたとします。
この360万円を、年率5%という利回りで割り戻すと、約7,200万円になります。
つまりこの人は、7,200万円分の円建て債券を、すでに自分の中に持っているのと同じなんです。
しかも仕事を続けているかぎり、安定してキャッシュが入ってくる。
かなり高利回りの、優秀な債券です。
配当金生活に憧れる方は多いですが、配当だけで暮らそうと思うと、実はそれなりの元手が必要です。
だからこそ、いま最も再現性が高いのは、今の仕事を続けながらコツコツ積み立てていく道なんです。
「お金が全然ない」と思っている方こそ、ここに気づいてほしい。
お金を生む一番の資産は、他でもないあなた自身です。
しかも自分のことは自分でコントロールできるぶん、安全性の高い、いい債券なんですよ。ここで一つ、注意があります。
稼ぐ力があなた自身という資産なら、体を酷使してその資産をすり減らすのは本末転倒です。
今の仕事がつらいなら、居心地のいい会社に移る。
自分という債券を大事に扱うことも、立派な資産防衛です。
年金も同じです。
公的年金は日本円で受け取ります。
仮に月20万円の年金なら、年間240万円。
これも年率5%で割り戻せば、約4,800万円の円建て債券を持っているのと同じです。
持ち家も、日本の不動産である以上は円資産。
ローンを返し終えれば家賃はかからなくなりますが、それも結局は円の資産です。
つまり多くの人は、給料も年金も持ち家も、すでに円にどっぷり偏っている。
だったら、これから積み立てる投資まで日本株で固める必要はありません。
むしろ、ドル資産を持って全体のバランスを調整するくらいで、ちょうどいいんです。
もし将来のお金の流れが不安なら、新NISAつみたて&取り崩しシミュレーターで試算してみると、円と外貨のバランスがどう効いてくるかが見えてきます。
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為替ヘッジありの商品は、長期ではおすすめしない
商品を選ぶとき、「為替ヘッジあり」のタイプを選ぶ方がいます。
長期の資産形成なら、私はあまりおすすめしません。
理由は、ヘッジコストが見えないところでかかっているからです。
このコストは日本とアメリカのような二国間の金利差で変動し、金利差が大きいほど高くつきます。
意外に手数料を取られている、というのが実態なんです。
そもそも為替の値動きは、株式の値動き以上に読むのが難しい。
プロでも予想は困難です。
FXで勝ち続けている人は、正直すごいと思います。
私にはできません。
だからこそ、為替を予想しにいくのではなく、その時々の通貨の流れにそのまま乗っていく。
長期の資産形成なら、為替ヘッジなしでいい。
私はそう考えています。
ここでも根っこにあるのは、投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ、ギャンブルや借金はネガティブという考え方です。
為替を読む労力は、仕事や収入を伸ばす方に回したほうが、ずっと報われます。
正解はない、最適解はある──あとはオルカンにまかせる
ここまでをまとめます。
日本人がドル資産を持つ理由は、
①ドルが基軸通貨だから
②自分自身が日本円を生み出すキャッシュマシーンだから
この2つです。
給料・年金・持ち家と、あなたの資産はすでに円に偏っている。
だからこそ、いろいろな通貨に分散して持っておくことが大事なんです。
そして、その分散はオルカンでかなりの部分が実現できます。
投資比率は勝手にリバランスしてくれるので、そちらに気を取られず、今の仕事や、楽しいことに集中できます。
将来のイメージはこうです。
公的年金を日本円で受け取りつつ、資産形成で積み上げたドル資産、つまりオルカンから、必要なときに必要な分だけ取り崩していく。
円と外貨、両方の蛇口を持っておく。
このバランスが、生活が破綻する確率を下げてくれます。
投資も人生も、正解はありません。
でも、最適解はあります。
一つの通貨に固めず、バランスよく持つ。
相場を読むことに頭と時間を使うより、収入を伸ばしてオルカンに回す資金を増やすほうが、ずっと再現性があります。
まずはこの分散だけ、意識してみてください。
あとは寝て待つ。
それで十分です。
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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