日経平均7万円の裏で安くなった高配当株、それでも全部買わない理由
日経平均7万円の裏で安くなった高配当株、それでも全部買わない理由
投資雑誌の高配当株特集を見て、「今が買い時かもしれない」と気になっていませんか。
結論から言います。
AI・半導体に資金が集中した裏で、本当に安くなった高配当株があるのは事実です。
それでも、私は全部は買いません。
理由は一つ。
「増配が続いている会社」と「株価が下がっただけの会社」は、まったくの別物だからです。
私は毎月2冊の投資雑誌を読んでいます。
ただし、書いてある通りに買うためではありません。
基本的に「逆指標」として読んでいます。
今日はその最新号を題材に、雑誌との正しい距離の取り方と、高配当株の仕分け方をお話しします。
投資雑誌は逆指標。一冊の中で真逆が売られている
まず、最新号の表紙に並んでいた特集を見てください。
AI・半導体の本命株、上がる高配当株、スイングトレード入門、新興国株の投資信託。
グロースもインカムも、短期売買も長期積立も、全部同じ一冊に入っています。
冷静に考えると、おかしな話です。
方向性が真逆の「正解」が、同じ号の中で同時に売られているわけですから。
ただ、これは編集部を叩きたい話ではありません。
雑誌は毎月「今月の正解」を出さないと売れない、というビジネスの構造がまずあるんです。
売れなければ、作っている人たちの給料が出ません。
だから、いま一番話題になっているテーマにフォーカスして、「今ここが狙い目」と書く。それが彼らの仕事です。
私は金融機関に18年いて、うち15年は保険販売をしていました。
売る側にも毎月ノルマがあり、「今月の推し商品」が上から降りてくる。
商品の良し悪しより先に、売り続けなければいけない構造がある。
雑誌も、形は同じです。
個人の悪意ではなく、構造の話です。
ここで大事な整理をします。
情報を出している側は「ビジネス」でやっています。
一方、雑誌を読むあなたの目的は「投資」です。
発信者と読者は、最初から目的が別なんです。
だから、書いてある通りに買っても、あなたの成績が良くなる保証はどこにもありません。
AI・半導体特集は「終わった数字」。長期投資には関係ない
表紙の主役はAI・半導体でした。
中を見ると、直近で株価が何倍になったか、という「終わった上昇率」が並んでいます。
数字が出揃ってから雑誌に載る以上、載る頃にはその情報は株価に織り込まれています。
情報として、正直遅いんです。
そして、新NISAでオルカン(全世界株インデックス)を積み立てているあなたに、はっきり言います。
直近1年半の成績は、どうでもいい数字です。
なぜオルカンを始めたのか、思い出してください。
20年、30年の長期資産形成のためですよね。
1年半後にそのお金を使うわけではないでしょう。
だったら、直近の上昇率に心を動かされる必要はゼロです。
逆に、数年以内に使うお金を投資に入れているなら、そちらを見直すのが先です。
誌面にはプロによる日経平均の予想も並んでいますが、彼らも予想を出すのが仕事です。
予想が外れても、彼らの生活は変わりません。
当たると楽しいから読みたくなる気持ちは分かります。
私自身、トレンドを追いかける短期売買を散々やって、「相場が読める気がする」という感覚が一番危なかったと身をもって知りました。
だからやめました。
投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ、ギャンブルや借金はネガティブです。
日経平均7万円の中身。高配当株が安くなったのは事実
ここからが今日の本題です。
「雑誌は逆指標」で全部を切り捨てるのは、実は雑すぎます。
高配当株のページだけは、毛色が違いました。
2026年6月18日、日経平均は終値で初めて7万円台に乗せました。
ただ、中身を見ると景色が変わります。
三井住友DSアセットマネジメントのレポートによると、この上昇局面の上げ幅の9割ほどは、寄与度上位のごく一部の銘柄がつくったものでした。
同じ期間、TOPIXの構成銘柄は半分近くが下がっていたそうです。
日経平均が上がった日でも、業種の大半が下げている日もありました。
つまり、AI・半導体に資金が吸い寄せられた反動で、本当に置き去りにされて安くなっている銘柄はある、ということです。
誌面が「今こそ高配当株」と書いているのは、皮肉ですが、そこは事実を追いかけています。
だから私は、ここは誌面に半分だけ乗ります。
安くなったのは事実。
でも「だから特集の銘柄を全部買い」には、絶対になりません。
「増配が続く会社」と「株価が下がっただけの会社」を仕分ける
理由はシンプルです。
配当利回りは「配当÷株価」で決まります。
つまり、株価が下がるだけで、利回りは勝手に上がるんです。
だから高配当ランキングの上位には、業績が悪化して株価が売られた結果、利回りだけ高く見える会社が普通に混ざります。
いわゆる罠銘柄です。
日本の高配当株には景気に敏感な業種が多く、海外の景気に引っ張られて株価が大きく下がることも珍しくありません。
見るべきは利回りの高さではありません。
増配が続いているか、そしてその配当を支える利益がちゃんと伸びているか。
ここです。
実際、今回の特集の中にも、連続増配が長く続いている、業績のしっかりした会社は入っていました。
私自身が保有している銘柄も、いくつか載っていました。
ただそれは、私が一社一社、自分で調べて選んだ結果とたまたま重なっただけです。
雑誌に載っているから買ったわけではありません。
雑誌をきっかけに気になる会社を見つけるのは構いません。
でも、最後の仕分けは自分でやる。
ここを飛ばして「載っていた銘柄を全部買う」のは、投資ではなく丸投げです。
それでも全部は買わない。コアはオルカン、個別は応用編
私のポートフォリオを正直にお話しします。
コアはオルカンです。
加えて、ゴールド、東証REIT指数、米国債、ビットコイン、そして日本の中小型で連続増配している会社を組み合わせた「お弁当パック」を、すべて超長期のバイ&ホールドで持っています。
なぜ日本の中小型なのか。
オルカンに入っている日本株は5%ほどで、その中心は大型株です。
財務が良く、連続増配していて、オルカンには入っていない中小型。
ここなら自分で持つ意味がある、と考えて自分で組みました。
目的は、配当を私的年金にすることです。
ただし、はっきり言います。
これは応用編です。
資産形成中の方が真似する必要は、まったくありません。
たくさんの銘柄を調べて、決算を読んで、株価を確認して。
その時間をかけたリターンが、オルカンを上回る保証はどこにもないからです。
基本の一品ができていない人が、いきなり応用のレシピから入る必要はありません。
もう一つ、時間の話をします。
銘柄を調べ続けるのは、時間を食います。
私が個別株に時間をかけるのは、私的年金づくりという明確な目的があるからです。
目的のない銘柄チェックは、人生の時間の浪費です。
あなたの時間は、株価より価値があります。
それでも個別株をやりたい方は、予想ではなくルールで買ってください。
たとえば、最初に3分の1だけ買い、株価が20%下がったらさらに3分の1、もう20%下がったら残りの3分の1。
あとは売らずに持ち続ける。
こういう自分のルールを先に決めておけば、感情に振り回されにくくなります。
なお、私は個別株を新NISAには入れません。
会社が潰れるリスクがありますし、売るタイミングを自分で選びたいので、特定口座でやっています。
まとめ:発信者はビジネス、あなたは投資
今日の話を整理します。
投資雑誌は逆指標として、市場の熱を測る温度計に使う。
AI・半導体の「終わった数字」は、長期投資には関係ない。
ただし、AI相場の裏で安くなった高配当株があるのは事実。
それでも全部は買わない。
「増配が続く会社」と「株価が下がっただけの会社」を仕分けられないなら、コアはオルカンで十分です。
そして最後にもう一度。
情報を出している人たちはビジネスでやっています。
あなたは投資のために見ている。
目的が最初から違うと分かった上で読むなら、雑誌も立派な道具になります。
投資に正解はありません。でも、最適解はあります。
資産形成中のあなたの最適解は、雑誌のランキングの中ではなく、毎月淡々と積み立てるオルカンの中にあります。
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増やすちから
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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