スペースX12兆円IPOでもオルカン1本でいいと言い切る理由
スペースX12兆円IPOでもオルカン1本でいいと言い切る理由
「スペースXの上場、完全に乗り遅れた」。
そう思った方に、まず一言だけ言わせてください。
乗り遅れていません。
結論から言います。
資産形成中の方が、スペースXを個別で買う必要はまったくありません。
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を積み立てている人は、2026年6月29日の時点で、すでにスペースXの株主になっているからです。
僕は信用金庫3年、郵便局15年の計18年を金融機関で過ごし、40歳でセミリタイアしました。
その立場から、今回のIPO騒ぎの受け止め方を書きます。
数字は2026年7月15日時点の報道ベースです。
スペースXの12兆円IPOで実際に起きたこと
2026年6月12日、スペースXが米ナスダック市場に上場しました。
調達額は750億ドル、日本円で約12兆円。
2019年のサウジアラムコを抜いて、調達額で史上最大のIPOです。
公開価格は1株135ドル。
初値150ドル、初日の終値は160.95ドルで、公開価格を19%上回りました。
時価総額は約2兆1000億ドル、日本円で約336兆円。
とんでもない規模の会社が、一日で米国市場のど真ん中に現れたわけです。
本業はロケットと衛星インターネット「スターリンク」ですが、2026年2月にAI企業のxAIを統合しており、市場は完全に「AIインフラ企業のIPO」として見ています。
だから群がりました。
象徴的なのが元従業員の話です。
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、時給28ドルの溶接工として入社した男性が自社株を買い足し続け、残した約6500株が初日終値換算で約104万ドル、日本円で約1億6000万円になったといいます。
すごい話です。
ただ、冷静になってください。
これは「株式のリターンがすごい」話であると同時に、「株式のリスクがそれだけ大きい」話でもあります。
上がるということは、同じ幅で下がるということです。
オルカンを持っている人は、もうスペースXの株主です
ここが今日いちばん伝えたいところです。
オルカンが連動しているのは、MSCI ACWIという全世界株の指数です。
このMSCIには、超大型のIPOを定期見直しを待たずに組み入れる「ファストトラック」という早期組み入れルールがあります。
今回、スペースXにはこれが適用され、2026年6月29日にMSCI ACWIへ組み入れられました。
つまり、オルカンを積み立てている人は、何もしていないのに、6月29日からスペースXの株主です。
買い注文も出していない、目論見書も読んでいない、抽選にも並んでいない。
それでも勝手に入ってきます。
ナスダック100も同じで、7月7日に組み入れられました。
これが、僕が「コアはオルカン1本でいい」と言い続けている理由の一つです。
オルカンは時価総額加重平均型なので、大きな会社が生まれれば勝手に中に入ってくる。
力を失った会社は勝手に出ていく。
僕たちは何も判断しなくていいんです。
そもそもオルカンは中身の約6割が米国株です。
米国のトレンドを丸ごと買っているのと同じなんですよ。
AI関連株も半導体株も、もうめちゃくちゃ入っています。
「AIに乗り遅れた」と焦っている人は、自分のポートフォリオの中身を一度見てください。
とっくに乗っています。
ただ、正直な数字も書きます。
組み入れ当初のウェイトは、浮動株が少ないため0.1%前後にとどまるとみられています。オルカン100万円分に対してスペースXは1000円ちょっと。
一発当てようという話ではありません。
S&P500がスペースXを入れないのは、優良企業を厳選しているから
一方、S&P500に積み立てている人には、当面スペースXは入ってきません。
S&P500の採用基準は厳しいです。
時価総額と流動性の基準、浮動株比率50%以上、直近四半期と直近4四半期合計の両方でGAAPベースの黒字、上場からおおむね12カ月の実績。
そのうえで最後は指数委員会が判断します。
スペースXは、この基準に届きません。
上場目論見書によれば大幅な最終赤字が続き、浮動株比率は約4%と報じられています。
しかも、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは2026年6月4日、超大型IPOの早期採用ルールを緩和する案を退けると発表しました。
待機期間も、収益性も、浮動株の要件も、規模を理由に免除しない。
ナスダックやFTSEラッセルが基準を緩めた中で、S&Pだけが現行ルールを守った形です。
これ、S&P500派の方はネガティブに捉えなくていいです。
むしろ逆で、それだけ優良企業を厳選して、僕たちの代わりにブロックしてくれているということですから。
テスラですら、2010年の上場から採用まで10年かかりました。
スペースXが本当に優良企業になったなら、その時に入ってくる。
それでいいじゃないですか。
売買ランキングが半導体とAIだらけ。これは「お祭り」です
収録中に楽天証券の売買ランキングを実際に開いてみました。
米国株式の売買代金ランキングは、マイクロン、サンディスク、エヌビディア、スペースX、テスラ、インテル、マイクロソフト、パランティア。
20位まで見ても、ほぼ全部がAI・半導体関連です。
ETFのランキングも、1位が半導体ブル3倍のSOXL、4位が半導体ベア3倍のSOXS。
VOOやSPYといった本当にパッシブなETFが顔を出すのは、ようやくその下です。
みんな気づいていて、みんなが買っていて、みんなが熱狂している。
この状態を、僕は「お祭り」と呼んでいます。
そして、一生続くお祭りはありません。
その証拠は、もう出ています。
スペースX株は上場翌週に225ドル台まで急騰しましたが、2026年7月14日の終値は136.08ドル。
公開価格の135ドルを、わずか1ドル上回るだけの水準です。
上場後の高値から約3分の1下落し、時価総額は約8500億ドル、日本円で約138兆円が消えたと報じられています。
わずか1カ月です。
焦って上場直後に飛び乗った人は、いま何を思っているでしょうか。
株式は売買で成り立っています。
みんなが買い続ければ株価は上がる。
でも、どこかで利益を確定したくなるのが人間です。
他の人が熱狂しているときに、すーっと抜ける。
頭と尻尾はくれてやれ、です。
予測はしない。僕がオルカンとゴールドで構えている理由
もう一つ、市場の見立ての話を。
推奨ではありません。
本来、金利が上がると株式にはネガティブです。
でも関係なく、熱狂の中で株価は上がってきました。
一方で戦争の話は誰もしなくなり、原油価格は戦争前の水準に戻っています。
原油が落ち着いたのなら、インフレもそこまで高くならないんじゃないか。
ここは一度考えておいたほうがいいと思いますよ。
ただ、僕はこの手の短期予測をしたくないんです。
1カ月後、3カ月後がどうなるかなんて、わかりません。
トレンドを追いかける短期売買は、散々やった上で白旗を挙げました。
だから僕は、株式のコアの中心を株式はオルカン中心にして、そこにゴールドを組み合わせています。
ドル安に振れれば、オルカンの中の米国以外4割の部分と、通貨を持たない資産であるゴールドが効いてくる。
ドル高に振れれば、オルカンの中の米国6割が効く。
どちらに転んでも致命傷にならない。
予測しないための構えです。
ただし誤解しないでください。
僕はセミリタイアしていて給与収入がありません。
だから、こういう組み方をしています。
給与というキャッシュフローがある資産形成中の方は話が別です。
暴落が来ても積み立てを続けられるので、コアはオルカン1本で十分です。
僕がここにたどり着けたのは、2019年の老後2000万円問題をきっかけに両学長(リベラルアーツ大学)の考え方に出会えたからです。
固定費を削り、貯金と解約返戻金をオルカンに振り向けた。
それだけです。
自分がいくら積み立てれば、いつ、どうなるのか。数字で一度見ておくと腹が決まります。新NISAつみたて&取り崩しシミュレーターで試算してみる
まとめ:資産形成中なら、慌てず淡々とオルカンでいい
スペースXの株式を、わざわざ個別で持つ必要はありません。
オルカンを持っていれば、2026年6月29日からもう株主です。
AIも半導体も、恩恵は勝手に入ってきます。
売買ランキングが半導体とAIで埋まっている事実は、もう目の前にゴロゴロ転がっています。
先のことはわかりません。
でも、お祭りはそのうち終わります。
個別株やレバレッジ商品で乗っている方は、覚悟だけはしておいてください。
そして、資産形成中で収入がある方。
慌てなくていいです。
パッシブでオルカンを積み立てられている、それだけで全然違います。
世の中でそれをやれている人は、まだ全然少ないんですから。
これからも、こういう誘惑の話は出てきます。
オープンAIもアンソロピックも上場を申請したと報じられています。
そのたびに「乗り遅れた」と言われるでしょう。
そのたびに、僕は同じことを言います。
オルカンを買って、寝て待つ。
これだけです。
今日が、あなたの人生で一番若い日です。
今日も気をつけていってらっしゃい。
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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