月々2000円の格安保険は落とし穴だらけ|元保険営業が仕組み解説
月々2000円の格安保険は落とし穴だらけ|元保険営業が仕組み解説
結論:テレビの格安保険は、基本的にいりません
ズバリ言います。
テレビで流れている「月々2000円から」の死亡保険。
銀行やカード会社のDMで届く「3年間無料」の保険。
介護認定で保険金が下りる謳い文句の「格安介護保険」。
これらは基本的に必要ありません。
この記事では、郵便局での保険販売を長年経験した立場から、格安保険・無料保険・民間介護保険の構造的な問題を解説します。
悪意のある人ばかりではありませんが、業界の仕組みを知らないと損をするのはあなたです。
「月々2000円」は正確ではない
テレビのCMで流れる格安保険のキャッチコピーを思い出してください。
「何歳でも入れる」「月々2000円から」「お葬式代をご準備に」
ポイントは「2000円」ではなく「2000円から」という部分です。
実際に電話をすると、コールセンターのオペレーターがさまざまな質問をしてきます。
血圧は高いですか。
コレステロールの薬を飲んでいますか。
これまでに大きな病気はされましたか。
こうした健康状態の告知によって、保険料に次々と上乗せがされます。
最初の見積もりは2000円でも、健康状態によっては6000円になることも珍しくありません。
電話をかけてくる方は、葬儀費用への不安を抱えています。
「今日が一番若い、今が一番保険料が安い」というトークで背中を押されると、最終的な金額が上がっていても契約してしまう方がいます。
郵便局に勤めていた当時、そういった保険に申し込もうとしているお客さんにストップをかけることもありました。
保険会社が赤字になるほど安い商品は、最初から存在しません。
銀行・カード会社の「無料保険」は呼び水
銀行やクレジットカード会社から届く「3年間無料の怪我保険」「無料で入れる介護保険」。
これも同じ発想です。
これは呼び水です。
無料・格安の商品で一度顧客になってもらい、そこから同じ会社グループの他の保険商品へ誘導するための入り口です。
保険業界では昔から、学資保険(子供保険)を皮切りに関係を築き、そこから親御さんへドル建て終身保険などの高額な商品を販売するという流れがありました。
手数料の薄い商品で信頼を得て、手数料のたっぷり取れる商品へ誘導していく構造です。
当時は業界全体がそういう仕組みになっていて、なかなか気づきにくい環境でした。
銀行の無料保険も同じです。
無料で入ってもらい、その会社の別の保険商品へつなげていく。
保険会社は儲からないことはしません。
これは当然のことです。
世の中の詐欺電話と構造は同じです。
1000人に電話して一人でも話を聞いてくれれば成立するビジネス。
無料保険も、加入した大勢の中の一定割合が有料保険に移行してくれれば十分に成り立ちます。
自分一人の視点で「これでは赤字になるはず」と感じるのは、世の中の規模を小さく見ているからです。
介護保険の認定基準は公的制度と別物
介護保険を検討している方に、絶対に知っておいてほしいことがあります。
公的な介護認定と、民間保険の介護認定はまったく別物です。
国の公的介護保険は、要支援1・2から要介護1〜5まで比較的ゆるやかな基準で認定が下ります。
地域包括支援センターへ相談すれば、軽い段階から手続きを進めることができます。
しかし民間保険の介護認定は、保険会社が独自に定めた厳しい基準で審査されます。
実際には保険金がほとんど下りません。
保険会社は儲からないことはしません。
介護保険を販売して全員に保険金を支払っていたら事業が成立しないのです。
何百人かに一人に支払うくらいの確率に合わせて商品設計されています。
そのコスパの悪い確率にお金をかけるより、貯蓄しておく方がはるかに合理的です。
介護が心配なら、まず地域の包括支援センターに相談してください。
公的な制度の仕組みを理解して活用することが、民間保険より確実に助けになります。
葬儀費用の正しい備え方
「葬儀費用が心配だから格安保険に入ろう」と考えている方へ。
保険ではなく、貯蓄で準備してください。
そして、もう一歩踏み込むなら、元気なうちに自分で葬儀社に見積もりに行くことを強くおすすめします。
人が亡くなった直後、遺族は本当に疲弊しています。
悲しみと疲労の中で、40〜50ページある葬儀プランの冊子を渡されて「1時間で選んでください」と言われるのが現実です。
その状態でオプションを次々とすすめられると、必要以上にお金を使ってしまいます。
僕自身、父が亡くなった時にそれを経験しました。
朝に亡くなり、病院から搬送されてそのまま葬儀社の対応が始まり、泣きながら親戚への連絡をしながら、葬儀プランを選ばされました。
母と事前に葬儀場は決めていて、それでも金額は想像以上な金額になりました。
不覚を取りました。
だからこそ、元気なうちに自分で葬儀社に行き、プランを事前に決めておく。
決まっていれば、不必要なオプションの積み上げを防ぐことができます。
妻にも最低ランクのプランで構わないと伝えています。
さらに言えば、葬式そのものをやらないという選択肢もあります。
宗教的な事情がある方は別として、元気なうちに好きな人たちだけを集めて「事前葬」を開く方が、自分らしい別れができます。
妻と一緒に計画しています。
まとめ:知識で備えることが最大の保険
テレビの格安死亡保険・銀行の無料保険・民間介護保険、これらは基本的に不要です。
安く見えても実際は高くなる仕組みがあります。
無料に見えても高額な保険への呼び水です。
民間介護保険の認定基準は公的制度とまったく別物で、実際にはほとんど下りません。
葬儀費用は保険ではなく、貯蓄と事前準備で対応できます。
お金を守るために必要なのは保険ではなく知識です。
高額療養費制度をはじめとする公的制度を理解し、固定費を削減して、余裕が生まれた資金をインデックス投資に回す。
この順番が、お金に困らない人生の土台になります。
今入っている保険の内容と月々の保険料を確認することから始めてみてください。
固定費削減の第一歩は、保険の見直しです。
保険を見直したら、次は節税・インデックス投資のロードマップへ進みましょう。
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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