億り人8人はプロ野球選手|凡人は真似せずオルカン積立を続ける
億り人8人はプロ野球選手|凡人は真似せずオルカン積立を続ける
「株で1億円を作るワザ」という特集を見て、自分も個別株で勝負してみようかと心が動いていませんか。
先に結論を言います。
億り人は、プロ野球選手と同じです。参考にはしても、真似はしなくていい。
凡人には凡人の戦い方があります。当てにいかず、オルカンの積立を愚直に続ける。これだけです。
10月に出たマネー誌2冊(日経マネーとダイヤモンド・ZAiの12月号)の中身と、プロのファンドの成績データから、その理由をお伝えします。
今月のマネー誌は「銘柄」から「人」が主役に。億り人8人はプロ野球選手
今月の2冊は、どちらも「どの株が上がるか」ではなく「誰が勝ったか」が主役でした。
日経マネーは「10人の賢者に聞く株の勝ち技」、ZAiは株で1億円を作った億り人8人の特集です。表紙は2冊とも4か月続けて個別株で、AI・半導体、配当株と来て、今月は勝った人の話。投機の熱は、先月より一段上がったと僕は見ています。
日経マネーの「投資の参考にしている人」の調査では、1位がテスタさんでした。ちなみに6位は両学長で、僕の資産形成の原点も両学長の考え方です。
テスタさんは、すごい努力をされている天才です。だからこそ言いますが、僕はテスタさんにはなれません。
億り人は、プロ野球選手と同じです。
野球部だった人が、大谷選手になれると思うでしょうか。参考にするのはいい。でも一緒にはなれません。
僕は雑誌を逆指標として読んでいます。みんなが盛り上がっているものからは降り、オワコンと言われているものに少しずつ手をつけて長く持つ。東証REIT指数・米国債・日本の中小型連続増配株(ぱぐ男ファンド)は、資金が抜けて安くなった時に買い足しています。
みなさんの資産形成なら、オルカンで十分です。中の銘柄は勝手に入れ替わるので、20年後を予想する必要もありません。
▼この章で参考にした一次情報
・日経マネー 2026年9月号〜12月号(日経BP)
・ダイヤモンド・ZAi 2026年9月号〜12月号(ダイヤモンド社)
「株はもう下がらない」の号で、プロの予想は1か月で書き換わった
同じ1冊に強気と警戒が並び、プロの予想も1か月で動きました。
だから、当てにいかない。
日経マネーには「株はもう下がらない」という見出しの記事がありました。相場が崩れそうになると、政府と中央銀行がお金を配って支える、という説明です。
ところが同じ号には、日経平均の予想変動率(日経平均VI)が月中に30を超えた月が、2020〜24年の5年で10回、2025年から2026年10月までの2年足らずで14回あったという集計も載っています。
ZAiに載ったプロ3人の日経平均の予想は、1か月でこう変わりました。
10月6日の終値70,683円は、先月号(9月8日時点)で3人のうち2人が出していた予想の上限を、もう超えています。今月号では、3人とも予想を引き上げました。
予想はその時の値段を見て書かれるので、値段が動けば予想も動きます。プロが悪いわけではなく、構造の話です。
そもそも「もう下がらない」という考え方が危ない。下がる時は、下がります。
オルカンも長い目で見たら右肩上がりだったというだけで、入れた直後に30%、50%下がることもあります。
30%、50%下がっても耐えられる金額だけを入れる。
それでも市場から降りないのは、稲妻が輝く瞬間に市場にいないと、その恩恵を取れないからです。明日も3年後も、どうなるかは誰にも分かりません。
当てている人、いますか。僕はいないと思っています。
だから僕も、トレンドを追う短期売買を約4年やって、今年の春に白旗を上げました。やめたのは短期売買だけで、長く持つ資産は今も持ち続けています。
▼この章で参考にした一次情報
・日経マネー 2026年12月号(日経BP)
・ダイヤモンド・ZAi 2026年11月号・12月号(ダイヤモンド社)
・三井住友DSアセットマネジメント 市川レポート「3カ月ぶりに終値で7万円台を回復した日経平均株価の今後を展望する」(2026年10月7日)
億り人8人の手法はバラバラ。特集に載るのは勝ち残った人だけ
億り人の努力は本物です。ただ、特集に載るのは勝ち残った人だけです。
8人の手法は、売買の記録、高配当株、優待株、割安株や成長株、順張りの短期売買とバラバラで、年齢も30代から92歳まで幅があります。他の人の投資法に、僕はケチをつけるつもりはありません。
ただ、厳しいことを言います。
負けた人は、何も言わずに退場します。
同じやり方でお金を減らした人は、特集には出てきません。
載らない人の姿は、プロのファンドのデータで見えます。消えたファンドも数に入れて集計するSPIVA日本スコアカードでは、日本の大型株ファンドの80.38%が15年で指数に負けました。世界株のファンドは、10年でも15年でも100%が負けています。
15年で生き残ったファンドは全体の46.47%で、半分以上が消えていました。1年だけなら勝つ年もあり、2025年は日本の大型株ファンドの半分ちょっとが指数に勝ちましたが、期間が長いほど負けの割合は上がります。
フォローしている発信者が、自分の失敗談を話しているかも見てください。お金もうけが先か、人の役に立つのが先かで、配信の中身は変わります。
億り人の話は「真似できるか」「その時間を使いたいか」で読んでください。
株を趣味で考えて楽しいなら、それでいい。でも、もうけのために時間を使うくらいなら、その時間はビジネスに回した方がいいです。投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ、ギャンブルはネガティブ。
以前にも、投資雑誌の「1億円の作り方」の特集を読んで同じことを書いています。
【11月号投資雑誌を徹底検証】“1億円の作り方”に惑わされない!FIRE視点で見る本当に必要なお金の話
▼この章で参考にした一次情報
・ダイヤモンド・ZAi 2026年12月号(ダイヤモンド社)
・S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス「SPIVA日本スコアカード 2025年末」(2025年12月31日までのデータ)
お金の色分けが先。優待は主軸にせず、増える配当はオルカンの中にある
投資の手法より大事なのは、お金の色分けです。
資産形成のお金と、趣味で好きにやるお金。この2つを一緒にしてしまうから、おかしくなります。
資産形成のお金はオルカンで積み立てて、基本は出さない。生活費が本当に足りなくなった時に、必要な分だけ出します。
趣味の枠は、優待株でも高配当株でも短期売買でも、好きにやればいい。FXや信用取引をやりたい人もいるでしょう。僕自身はレバレッジをかけませんが、やるなら条件は1つです。
趣味の枠は、0になってもいいと思える金額で。
たとえば資産1,000万円のうち、応援したい会社の優待株が30万円なら3%です。その会社が万一倒産しても、970万円は残ります。
趣味の枠の割合が大きすぎるなら、一度考え直してください。
僕の日本の中小型連続増配株(ぱぐ男ファンド)にも、優待が出る銘柄はあります。でも選ぶ基準は優待ではなく、連続増配か、減配していないか。長く持つコアの一部で、優待は妻と出かけたついでに使うくらいのおまけです。
だから優待中心の投資は、主軸に置くものではありません。日本で働く人は毎月円を稼ぐ債券のような存在なので、先に外国の資産も入ったオルカンで資産形成を進めてください。
毎月の積立が20年後にどうなるかを一度数字で見ておくと、億り人の話に心が揺れにくくなります。
配当について、1つ間違えないでほしいことがあります。
オルカンやS&P500を積み立てている人は、もう増えていく配当を持っています。
投資信託は配当を分配金で出さず、中で再投資するので気づきにくいだけです。オルカンも利益をファンドの中に残す方針で、直近の決算(2026年4月)の分配金は0円でした。
中身の会社の配当は、凸凹はありながら長い目で見ると増えています。S&P500の配当は2025年に1株あたり過去最高で、年間で増えたのは16年連続です。配当が増えていく限り、最初に買った金額に対する利回りは、長く持つほど上がります。
今の積立のままで、配当の成長はもう取れています。
この話は、以前の記事で詳しく書きました。
【新NISA長期投資の結論】高配当株へ乗り換え不要|インデックス投資は「勝手に高配当」になる理由
▼この章で参考にした一次情報
・三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」交付運用報告書 第8期(決算日2026年4月27日)
・S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 米国の配当に関するプレスリリース(2026年1月7日)
熱があるところにニセ広告。お金は人に預けず、証券会社はブックマークから
熱が高い所には、詐欺も集まります。
日経マネーでは、テスタさんがニセ広告の手口を話していました。広告からLINEに誘い、画面の上だけお金が増えたように見せて、出金しようとすると先に税金を払えと言ってくる、昔からある手口です。
警察庁によると、2026年上半期のSNS型投資詐欺は5,893件、被害額は797.9億円でした。特殊詐欺全体の被害額1,816.2億円の4割以上で、手口別で最も大きい金額です。最初の接触はバナーなどの広告が最も多く、件数の約6割は20代から50代です。
有名な投資家の名前で「もうかる」と誘ってくる話は、まず疑ってください。
守り方は3つです。
広告やメッセージの中のリンクは押さない。お金は人に預けず、自分の名義で運用する。証券会社のサイトには正しいURLをブックマークしておき、そこから入る。
最後の1つは、金融庁も注意喚起で呼びかけています。証券口座の多要素認証などのセキュリティ設定も、強めにしておいてください。
▼この章で参考にした一次情報
・日経マネー 2026年12月号(日経BP)
・警察庁「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」(2026年7月31日)
・金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」(2025年4月3日、2026年10月9日更新)
まとめ|億り人の特集は読んでも真似しない。積立を愚直に続ける
今月のマネー誌の主役は、銘柄から「勝った人」に変わりました。同じ1冊に強気と警戒が並び、プロの予想は1か月で書き換わります。
載るのは勝ち残った人だけで、プロのファンドも長く見れば大半が指数に負けています。増えていく配当も、オルカンの中にもう入っています。
勝った人の話を聞くと、自分もできるんじゃないかと思ってしまいます。そう思うくらいなら、読まない方がいい。読むなら「すごいな」で終わらせてください。
凡人は凡人の戦い方で。オルカンの積立で十分です。
今日やることは1つだけです。
使っている証券会社のログイン画面を、今日ブックマークに登録してください。
▼お金を増やす話をもっと読みたい方はこちら
▼参考資料(2026年10月27日確認)
・日経マネー 2026年9月号〜12月号(日経BP)
・ダイヤモンド・ZAi 2026年9月号〜12月号(ダイヤモンド社)
・S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス「SPIVA日本スコアカード 2025年末」
https://www.spglobal.com/spdji/jp/documents/spiva/spiva-japan-year-end-2025-jp.pdf
・三井住友DSアセットマネジメント 市川レポート(2026年10月7日)
https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2026/10/irepo261007/
・三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」交付運用報告書 第8期(2026年4月27日決算)
https://www.am.mufg.jp/pdf/kouunyou/253425/253425_20260427_k.pdf
・S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 米国の配当に関するプレスリリース(2026年1月7日)
・警察庁「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」(2026年7月31日)
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/260731/01.html
・金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください」(2026年10月9日更新)
https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/chuui_phishing.html
※数字は過去の実績で、将来の成果を約束するものではありません。
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
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