最悪の日に買っても30年で1億423万|タイミング投資の結論
最悪の日に買っても30年で1億423万|タイミング投資の結論
「下がるまで待とう」と思って現金を握ったまま、気づけば何か月も買えていない。
そんな人にこそ読んでほしい記事です。
結論から言います。
タイミング投資なんて、どうでもいいです。
S&P500の直近30年(1996〜2025年)を検証すると、30年間ずっとその年の一番高い日に買い続けた最悪の人でも資産は約1億423万円になり、怖くて買わなかった人は元本1,800万円のままでした。
成績を分けたのはタイミングではなく、市場に居続けたかどうか。
つまりバイ&ホールドできたかどうかです。
この記事では、神のタイミング・最悪のタイミング・年初一括の差、そして「買い場を待つための現金」がいくら高くつくのかを、数字で順番に確認します。
読み終わる頃には、買い場探しに使っていた頭と時間を、もっと効率のいい場所へ振り向けたくなるはずです。
なお本記事の金額は、配当再投資込みで、為替・税金・信託報酬は考慮しない前提の試算です。
すべて「約」を付けて読んでください。
最悪のタイミングで30年買い続けても約1億423万円
まず結論の数字です。
S&P500に毎年60万円、30年間で元本1,800万円(新NISAの生涯投資枠とちょうど同額です)を投じた場合、買うタイミングでどこまで差がつくのかを比べました。
その年の一番安い日(終値ベース)を30年間当て続けた「神のタイミング」は約1億3,795万円で、年率は約11.2%。
何も読まずに年初へ一括で入れただけの人は約1億2,183万円。
そして毎年一番高い日をつかまされ続けた「最悪のタイミング」でも、約1億423万円です。
一方、怖くて買わずに金利ほぼ0%の預金に置いた人は、1,800万円のまま。
最悪の人ですら、買わなかった人の約5.8倍になりました。
ちなみに毎月コツコツ積立でも約1億1,744万円。
どの買い方でも、全部1億円超えです。
ひとつだけ先に釘を刺しておくと、「その年の最安値」は年が終わってからしか分かりません。
30年間ドンピシャで当て続けるのは、人間には不可能です。
なお、年初一括と毎月積立のどちらがいいかという比較は、昨日の記事「年初一括と積立の差は455万円。30年検証でどっちでもいい理由」に書きました。
今日はその続きで、タイミングそのものの話です。
神(年間の最安値)と年初一括の差は、年に直すと約54万円
30年間底を当て続けた神(年間の最安値)と、年初にポンと入れただけの人。
その差は30年で約1,612万円、年に直すと約54万円です。
毎年一度も外さず底を当てるという不可能を成し遂げて、もらえるご褒美が年54万円分。逆に、年初一括と最悪のタイミングの差も約1,759万円でした。
読みが完璧に当たっても、全部外しても、資産の総額から見れば1割ちょっとの範囲に収まってしまうんです。
それに比べて「市場にいたか、いなかったか」の差は約5.8倍。
桁が違います。
ウォーレン・バフェットが神様と呼ばれるのは年率20%を叩き出すからですが、市場平均のS&P500に乗っただけで、この30年に限れば年率約10〜11%。
世界の基軸通貨を持つ国の優良500社に、どこが強いかなんて考えずまるっと投資していたら、それだけ増えたわけです。
プロが運用するアクティブファンドの多くがインデックスに勝てないのも、同じ構造の話です。
いちばん高くつくのは「買い場を待つための現金」
「どこかで暴落が来るはずだから、現金を厚めにして待とう」。
この判断の値札も出しておきます。
仮に1996年の年初に1,800万円を持っていて、そのまま30年間、全額バイ&ホールドできた場合は約3億4,600万円。
ところが1割だけ現金で残すと約2億7,200万円になり、差は約7,426万円です。
2割なら約2億1,100万円で約1億3,500万円減、3割まで現金を高めると約1億6,200万円まで落ちます。
たった1割の「なんとなく不安だから」に、7,000万円超の値札が付くんです。
ここで「待てよ」と思った方、鋭いです。
最初に分けた現金は180万円だけ。
それが30年育たなかったとしても、損失は約3,278万円のはずです。
なぜ7,426万円も減るのか。
答えは、この試算の前提にあります。
上の数字は
「現金比率1割を、毎年リバランスして保ち続けた場合」の試算です。
株が増えるたびに、増えた分を売って現金に戻す。
この30年はプラスの年が24回、マイナスの年が6回ありました。
つまり、勝ち年に勝ち分を削って、利回り0%の現金に移す作業を24回やることになるんです。
その証拠に、最初180万円だった現金は、30年後には約2,716万円まで膨らんでいます。
年率にすると10.35%が9.47%になるだけ。
たった0.89ポイントの差です。
それが30年の複利で、約4,148万円の追加コストに化けます。
180万円を最初に一度だけ分けて放置するなら、値札は約3,278万円。
「比率1割」を守り続けるなら、約7,426万円。
現金比率って、置いてるんじゃないんです。
育った株を毎年売って、払い続けてるんですよ。
ここで大事な切り分けをします。
生活防衛資金は別です。
あれは暴落から生活を守るための「守りの現金」で、絶対に必要。
今日の話は、買い場を当てるために抱えている「待ちの現金」のことです。
それでもリスク許容度的に不安が消えない人には、変動10年の個人向け国債という置き場もあります。
発行から1年経てば換金できて、元本保証に近い商品です。
ただし銀行や対面証券の窓口で買ってはいけません。
ネット証券で買ってください。
稲妻の輝く瞬間は、暴落のすぐ隣にある
では、なぜ待ちの現金はこんなに高くつくのか。
1990年1月から2019年12月までの7,553営業日で検証したデータがあります(こちらは配当を含まない、価格のみの計算です)。
100万円を置いてずっと持っていた場合は約896万円。
ところが上昇率ベストの10日を逃しただけで約448万円と半分以下になり、ベスト30日を逃すと約183万円、ベスト50日なら約86万円と元本割れです。
ベスト30日は、全営業日のわずか0.4%。
その一瞬を取り逃がすだけで、30年の成果が崩れます。
そして、稲妻の輝く瞬間は、市場が一番暗いときの直後に来ます。
大きく上がる日は、暴落のど真ん中で起きる。
「危ないから」と逃げた人は、その日、市場にいません。
当たり前ですよね、逃げたんだから。
現金比率を上げて待つのは、暴落から逃げているようで、実は反発から逃げているんです。
底を当てる努力を、入金力に振り替える
偉そうに言っていますが、僕もセミリタイア後の約4年間、勉強のためにトレンド追いかけ型の短期売買をやりました。
買い場を当てるために現金を持って、毎朝、株価や市場データを眺めて。
結論、何の意味もなかったです。
その時間がむちゃくちゃ無駄だったと、今回の数字を見て確信しました(そのあたりの顛末は「4年やった短期売買を今年やめてビジネスに全振りした本当の理由」に書いています)。
こういう数字があります。
神のタイミングで年60万円を30年入れると約1億3,795万円。
一方、タイミングを一切読まず年初一括、ただし月5万円を月6万円に増額した人は約1億4,619万円。
月1万円の増額が、30年分の神のタイミングに約824万円勝ちました。
底を当てるために使っている頭のリソースがあるなら、昇給・転職・副業・固定費削減に振って入金力を上げるほうが、限界もなくて早い。
投資はパッシブ、ビジネスはアクティブ、ギャンブルはネガティブです。
毎月の金額でどう変わるかは新NISAつみたて&取り崩しシミュレーターで手を動かして確認できます。
まとめ:精神が持たない金額まで入れず、あとは居続ける
今日の要点です。
タイミングの巧拙より、市場に居続けたかどうかが桁違いに効く。
買い場を待つ現金には数千万円級の値札が付く。
稲妻の輝く瞬間は暴落の直後に来るから、逃げた人には取れない。
そして、底を当てる努力より月1万円の入金力です。
ただし大前提として、「ここまで下がったら精神が持たない」という金額まで投資に入れてはいけません。
ゼロになってもいいお金で好きに売買するのは自由ですが、20年30年出さないと決めた長期のお金は、高いか安いかを考えず市場平均に置いて、あとは寝て待つ。
僕自身、この考え方の原点は両学長(リベラルアーツ大学)で、今もリベシティで学びを続けています。
今日の一歩はこれだけ。
証券口座と銀行口座を開いて、生活防衛資金を引いた「待ちの現金」がいくらあるか、見てください。
見るだけでいいです。
▼増やすちからの話をもっと読みたい方はこちら
増やすちから
※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。
#毎日配信 #リベシティ #新NISA #インデックス投資 #タイミング投資 #バイアンドホールド #SP500 #長期投資 #資産形成 #オルカン #投資初心者 #セミリタイア
📚 この話を1冊にまとめました(Kindle)
▶ 保険からの卒業
▶ コアはオールカントリー1本でいい
▶ お金に困らない人生のつくり方
Kindle Unlimited対象。読み放題でも読めます。

