年初一括と積立の差は455万円。30年検証でどっちでもいい理由

「年初一括と毎月積立、どっちが得ですか?」——新NISAを始めた人が一度は迷う質問です。

結論から言います。

どっちでもいいです。

S&P500の直近30年で実際に計算すると、年初一括が毎月積立にわずかに勝ちましたが、差は30年で455万円、増えた資産の3.9%でした。

この記事を読めば、その数字の中身と、この論争が本質からズレている理由が分かります。

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年初一括と毎月積立、S&P500直近30年の検証結果

年初一括のほうが、わずかに増えました。

これが結論です。

条件を先に言います。

対象はS&P500、期間は1996年から2025年の30年間。

毎年60万円を投資します。

年初一括はその年の最初の営業日に60万円をポンと入れる、毎月積立は毎月5万円ずつ入れる。

元本はどちらも合計1,800万円。

配当は再投資したトータルリターンで、為替・税金・信託報酬は考慮していません。

数字はあくまで目安として読んでください。

30年後の資産は、この30年のデータで計算すると次のとおりです。

  • 年初一括(年初に60万円):約1億2,199万円(年率+10.6%)
  • 毎月積立(毎月5万円):約1億1,744万円(年率+10.4%)
  • 差:455万円(資産全体の約3.9%)

30年の中には、ITバブル崩壊もリーマンショックも、同時多発テロもコロナショックも、2022年のインフレ・利上げも全部入っています。

大暴落を全部くぐった上でこの結果なので、信頼性はそれなりにあると思っています。

外部の調査とも方向は一致します。

チャールズ・シュワブの調査(2005〜2024年・年2,000ドル投資)では、年初に即投資した人が毎月積立の人を約2.4%上回りました。

バンガードの調査でも、一括投資が分割投資に勝つ確率はおよそ7割と報告されています。つまり「一括がやや有利、ただし差は小さい」は、どこで計算しても同じ答えです。

理由もシンプルで、株式市場は長い目で見れば右肩上がりだったから。

上がる確率が高い場所に、少しでも長くお金を置いていたほうが有利、それだけの話です。

差の正体は年率0.2ポイント。だから手数料が効く

455万円の差が、どこから来たのか。

年率リターンの差は、たった0.2ポイントです。

年初一括が+10.6%、毎月積立が+10.4%。

ここで注目してほしいのは金額ではなく率です。

「0.2%なんて大したことない」と言う人は、世の中にたくさんいます。

でも、その0.2%の差が30年で455万円になった。

これが複利です。

じゃあ、アクティブファンドはどうですか。

信託報酬で1%以上、余分に取られている商品がごろごろあります。

0.2%で455万円なら、1%の差がどれだけの金額になるか、想像がつくと思います。

だから僕は、投資に関しては手数料を極力かけるな、と言い続けています。

今日の話は一括か積立かの話ですが、率の差が長期でどう効くかを知る、いい教材になります。

年初一括が負けた年は、年の途中で大きく下げた年だけ

拠出年ごとの勝敗も見ました。

30年のうち、年初一括が勝ったのは23年、勝率77%です。

負けた7年はどんな年か。

2001年の同時多発テロ、2002年のITバブル崩壊の底、2008年のリーマンショック、2022年のインフレ・利上げ、2020年のコロナショック。

負けたのは、年の途中で株価が大きく下げた年に限られました。

年初に全額入れた後で下がれば、途中で安く買えた積立が勝つ。

当たり前の結果です。

逆に、大きく勝ったのは1996年から1998年のように、年初から年末まで素直に上がった年です。

S&P500の年末の株価が年初より上だった年が30年で24年あった。

だから累計では一括が勝つ。

株式が右肩上がりだったことの裏返しでしかありません。

この論争は「新NISAの1,800万円」から生まれている

なぜ最近、この話がこんなに出るのか。

答えは新NISAの生涯投資枠1,800万円です(2026年時点)。

今回の検証の元本1,800万円は、この枠とちょうど同じ額です。

数字として分かりやすいから、「早く埋めたほうが得か」「積立でいいのか」という論争が生まれる。

はっきり言います。

1,800万円の枠を最短5年で埋めたからといって、その人が幸せかどうかは分かりません。

資産形成はゲームじゃない。

皆さんが毎月、体を削って、気持ちも削って、ストレスを抱えながら稼いできたお金の一部です。

ギャンブル性を持ち込んではいけない。

例えばの話をします。

毎月5万円を30年、いろんなことを我慢して必死に貯めて、1億2,000万円になったとします。

60歳、65歳、70歳。

そのお金、使えますか。

僕は、使えないと思います。

それだけ苦労して貯めたお金は、使うのが怖くなる。

じゃあ毎月4万円にして、1万円を今の自分に使ったらどうか。

単純計算で、将来の資産は5分の4、およそ9,600万円に減ります。

減りますよ。

でも、その毎月1万円、年間12万円で、家族と旅行に行く。

歯の予防検診に行く。

ジムに通う。

好きな趣味に使う。

過去には戻れません。

その時その時にしかできないことを、我慢しすぎたらダメです。

もちろん、欲望のまま全部使えという話ではない。

バランスの話です。

こういうことを言う発信者は、ほとんどいません。

バズらないからです。

僕が知っている範囲では、両学長くらいです。

でも、使ったほうがいい。

本当にそう思います。

給料からの毎月積立は、その人にとっての「一括投資」

もう一つ、大事な視点があります。

水瀬ケンイチさんの言葉で、いい言葉だなと思ったものです。

「会社員にとっては、毎月の積立投資が一括投資と同じ」。

毎月の給料は、前借りできません。

自分がキャッシュマシーンになって、毎月稼いでくる。

その中の一部を投資に回しているなら、それは「その月に入ったお金を、すぐ市場に置いている」ことになります。

毎月の積立が、その人にとっての最速の一括投資なんです。

だから場合分けはこうなります。

今まで投資をしていなくて、預金がたっぷりある人。

20年、30年使わないと決められるお金なら、年初一括でも、年間360万円の枠いっぱいでも、早く市場に投げてしまっていい。

一方、これから給料の一部で資産形成をしていく人。

毎月の積立が、すでに最適解です。

年初一括にするために貯めて待つ必要はありません。

本質はここです。

20年後、30年後まで絶対に使わないお金を、インフレに強い株式——オールカントリーやS&P500——に早く置いておく。

自分の資産全体を、インフレに負けさせない。

年初一括か毎月積立かは、その手段の話にすぎません。

そして「毎月5万円以上やるべきか」「早く1,800万円を埋めるべきか」で悩む前に、確認してほしいことがあります。

自分の生活費が実際いくらか。

子どもがいるなら学費がいくらか。

そこが計算できていない人が多い。

貯蓄型保険や、いらない民間の医療保険に不安からお金を払い続けている人も多い。

僕は保険を15年売っていた側の人間ですが、両親をガンで亡くしていても、医療保険は全部解約しました。

健康保険という最強の保険が全員に付いている。

先進医療が心配なら、その分を現金で持っておけばいい。

病気にならなければ、そのお金は健康や家族のために使える。

お金の置き場所を考えるだけで、全然違ってきます。

月いくらなら無理がないか、数字で確かめたい方は新NISAつみたて&取り崩しシミュレーターで試算してみてください

まとめ:どっちでもいい。やらないのが論外

  • 年初一括は毎月積立にわずかに勝つ。差は30年で455万円、全体の3.9%。年率にして0.2ポイント
  • その0.2ポイントが455万円になる。だから手数料は極力かけない
  • 論争の出どころは新NISAの1,800万円枠。早く埋めた人が幸せとは限らない
  • 給料からの毎月積立は、その人にとっての一括投資。20〜30年使わないお金は早く市場へ

早くリタイアした人が偉いとか、枠を早く埋めた人がすごいとか、あの人は資産2億持っているとか。

はっきり言います。

どうでもいい。

その人の資産がいくらあろうが、あなたの資産は1円も増えません。

そういう情報を追いかける時間があるなら、仕事とプライベートを楽しんでください。

やらないのは論外。

やりすぎも違う。

無理のない金額で、パッシブ投資を今日から続ける。これだけです。

今日の一歩:自分の毎月の積立額が「我慢して絞り出した額」になっていないか、1分だけ見直してください。

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増やすちから|新NISA・インデックス投資

※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。

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はじめまして、鼻つぶれぱぐ男です。 「一人でも多くの人がお金に困らない人生を送れるように」をコンセプトに、新NISA・インデックス投資・固定費削減・保険の見直しなど、シンプルで再現性の高いお金の話を発信しています。 40歳でアーリーリタイアを達成。難しい金融知識ではなく、普通の人が実践できる方法にこだわってお伝えしています。ブログ・YouTube・音声配信・noteでも情報発信中です。ぜひあわせてご覧ください!
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