プルデンシャル157人処分は犯罪の話|保険の人とお金の話はしない

保険の担当者に、お金の悩みまで相談していませんか。

プルデンシャル生命の157人処分は、保険業界の構造の話ではありません。犯罪の話です。

だから、保険の担当者とお金の話はしなくていい。保険でも証券でも銀行でも、金融の営業マンには極力会わなくていいです。

僕は信用金庫で3年、みなさんの地域にもある郵便局の窓口で15年働き、そのあいだ保険を売ってきました。普段の配信では「個人の悪意じゃない、業界の構造の話です」と言うことが多い人間です。その僕が、今回ははっきり言います。

この記事では、何が起きたのか、なぜ保険の担当者から儲け話が出てくるのか、自分と家族のお金を守るために何をすればいいのかを、会社と金融庁の発表をもとに整理します。

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プルデンシャル157人処分と業務停止|何が起きたのか

プルデンシャル生命の営業社員と元営業社員が、お客さんからお金をだまし取ったり、借りたりしていました。会社は157人を処分し、金融庁は新しい保険の販売を止める命令を出しています。

処分の中身はこうです。懲戒解雇・諭旨解雇が64人、業務停止が68人、訓戒・譴責などが25人。元社員への処分に相当する措置も含んだ数字です。

お金の大きさは、報道では、お客さんの申告ベースで約61億円。そのうち被害と認められたのは約52億円と伝えられています。1月に会社が最初に公表した時点では、498人・30.8億円でした。

数え方が違うので「倍になった」とは言えません。それでも、桁違いの話です。

金融庁は10月9日、プルデンシャル生命と、同じグループのジブラルタ生命に業務停止命令を出しました。2026年10月13日から2027年1月31日まで、2社とも営業社員による新しい保険の募集と契約ができません。

僕は、157人は氷山の一角だと見ています。数字は、会社自身の調査とお客さんからの申し出で集まったものだからです。ここは事実ではなく、僕の見立てとして読んでください。

契約中の方に先にお伝えすると、止まるのは「新しく売ること」です。

今入っている保険の保障、保険金の支払い、解約などの手続きは止まりません。

▼この章で参考にした一次情報

・プルデンシャル生命保険「社外特別調査委員会による調査報告書の公表およびお客さま本位の業務運営の徹底に向けた取り組みについて」2026年10月8日

・プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンほか「お客さまへの補償の進捗状況について(2026年9月16日時点)」2026年10月8日

・金融庁「プルデンシャル生命保険株式会社、ジブラルタ生命保険株式会社及びプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社に対する行政処分について」2026年10月9日

・プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンほか「金融庁による行政処分について」2026年10月9日

・報道:テレビ朝日系(ANN)(2026年10月8日)、共同通信(2026年10月8日)

保険を売る話じゃない|会社の名前まで使えば犯罪

今回の話は、保険の売り方の問題ではありません。会社の名前まで使って、お客さんからお金を取るのは犯罪です。

会社が公表した手口を見てください。ある元社員は、会社の「自社株」や、ありもしない預金商品にお金を出させ、お金も借りて、34人から3億4,678万円を受け取っていました。そのうち1億3,673万円は、元社員本人から返されています。

期間は2023年春ごろから2026年夏ごろ。会社が2月から新規契約の販売を自粛していた最中まで、続いていたことになります。

別の元社員は、会社がコインランドリー事業をやっていて投資できる、と事実と違う説明をして、2人から3,000万円を受け取っています。

会社の発表では、こうした行為は「金銭に関わる不適切な行為」と呼ばれています。でも報道では、2024年に元社員が詐欺の疑いで逮捕されています。呼び方をやわらかくしても、中身は変わりません。

僕が郵便局にいた頃も、かんぽ生命の売り方が大きな問題になりました。あれは、保険の売り方のルールを破った話です。

今回は、そもそも保険ですらありません。

▼この章で参考にした一次情報

・プルデンシャル生命保険「弊社元営業社員による不適切な金銭受領事案について」2026年10月8日

・プルデンシャル生命保険「ガバナンス態勢および営業諸制度の抜本的な見直しに向けプルデンシャル生命における新規契約の販売活動を90日間自粛」2026年2月4日

・報道:共同通信(2026年1月16日)

仕組みの問題は事実|それでもだまし取った本人の責任は消えない

仕組みに問題があったのは事実です。それでも、だまし取った本人の責任は消えません。

会社自身が、今回の問題は個々の営業社員の問題ではなく、経営管理やビジネスモデルに原因がある構造的な問題だと認めています。金融庁も、業績と完全に連動した報酬制度(フルコミッション)のもとで、高い倫理観のない「金銭に執着の強い者」が混ざったと書きました。歴代の経営陣はそれを長年放置してきた、とも書いています。

数字で見ると分かりやすいです。会社の発表では、契約後のアフターサービスに対する報酬は、報酬全体の5%未満でした。報酬のほとんどが、新しい契約に結びついていたということです。

会社はこれを約20%に上げ、最低保証給も入れると発表しました。始まるのは2027年です。

売っていた側として、給料が契約と強く結びつく感覚は分かります。自著『保険からの卒業』にも書きましたが、解約されると、もらった手数料の一部を返す「戻入(れいにゅう)」がある商品もあります。

でも、それと、お客さんからお金をだまし取るのは、まったく別の話です。

金融庁の命令には、会社の立て直しと並んで「事故者の処分」がはっきり入っています。営業管理職の管理責任も含めてです。金融庁は、事故者の中に、営業社員を管理・指導すべき営業管理職も多数含まれていたと書いています。

いじめと同じです。やった人もダメ、知っていて黙っていた人もダメ。「みんなでやれば怖くない」が当たり前になっていたなら、なおさらです。

▼この章で参考にした一次情報

・プルデンシャル生命保険「社外特別調査委員会による調査報告書の公表およびお客さま本位の業務運営の徹底に向けた取り組みについて」2026年10月8日

・金融庁「プルデンシャル生命保険株式会社、ジブラルタ生命保険株式会社及びプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社に対する行政処分について」2026年10月9日

・自著『保険からの卒業』第7章

保険の担当者から儲け話が出てくる理由|聞き上手ほど信用される

保険の担当者は「お金の相談相手」の顔で入ってきます。そこに儲け話が混ざるんです。

調査報告書には、お客さんとの会話は保険の話が2〜3割、お金の悩み相談が7〜8割だった、という営業社員の証言が載っています。会社自身も、営業社員とお客さんの関係が「個人化」「密室化」して、本社が中身をつかめていなかったと認めています。

ここからは、15年売っていた僕の実感です。

いい営業マンは、話がうまい人ではありません。相手の話を引き出すのがうまい人です。

人は、嫌な相手に自分の悩みを話しません。心を許して「この人なら聞いてくれる」と思った相手に話します。会話の7〜8割がお金の悩みということは、それだけお客さんに話させているということです。

技術としてはすごい。でも、その技術を犯罪に使ったら、もちろんダメです。

相手を信頼するのはいいんです。

でも、信用まではしないでください。

人は間違いを犯すもの、くらいに思っておく。これは他人だけでなく、身内でも同じです。

僕の配信を毎日聞いてくれている方にも言っておきます。話し方が気に入った相手ほど、要注意です。僕みたいにしゃべる人は、世の中にいっぱいいます。

プルデンシャルだけの話でもありません。同じグループのジブラルタ生命も、同じ業務停止命令を受けています。報道では、ほかの生命保険会社でも、元営業社員が約100人から約22億円を借り、約12億円が返っていない件が伝えられています。

▼この章で参考にした一次情報

・社外特別調査委員会「調査報告書(開示版)」2026年10月3日

・プルデンシャル生命保険「社外特別調査委員会による調査報告書の公表およびお客さま本位の業務運営の徹底に向けた取り組みについて」2026年10月8日

・報道:共同通信(2026年3月18日)

保険の担当者とお金の話はしない|払う前に止まる4つの合図

保険の担当者とは、お金の話をしない。できれば会わない。これが一番の守りです。

全員が悪いわけではありません。でも、誰が悪いかは外から見分けられません。

プルデンシャル自身が、公式サイトにこう書いています。2005年5月以降、お客さんから現金を預かる取り扱いはしていない。生命保険以外の金融商品は売っておらず、社員による個人的な投資の勧誘やお金の貸し借りは禁止している。

裏を返すと、「現金で」「会社名義じゃない口座に」「会社の株や事業に投資できる・いい儲け話がある」「お金を貸して」。この4つのどれかが出たら、その時点でアウトです。

1つでも出たら、払う前に止まってください。

心当たりがある方は、会社の窓口に自分で電話できます。契約していない人や、すでに解約した人も申し出られます。補償は、会社に法律上の責任がある場合に限らず、第三者でつくる「お客さま補償委員会」が審査して決めています。

・儲け話やお金の貸し借りの心当たり:プルデンシャルグループ特設問い合わせ窓口 0120-473-160(平日9時〜18時、土曜9時〜17時)

・プルデンシャル生命の契約や手続きの問い合わせ:カスタマーサービスセンター 0120-810740(平日9時〜17時30分、土曜9時〜17時)

ジブラルタ生命と契約中の方は、保険証券に書かれたジブラルタ生命の窓口へ電話してください。

そもそも、保険の担当者に会わなくても困りません。僕が必要だと考える保険は3つだけです。

賃貸でも持ち家でも入る火災保険。子どもがいて、自分が亡くなると生活が回らない家庭の、掛け捨ての収入保障保険(貯蓄も解約返戻金もなく、ドル建てでもないもの)。車を持っているなら自動車保険。

どれもネットで申し込めます。

必要な保険3つの考え方は、以前の記事でも書いています。

元保険営業が断言 医療保険はいらない本当に必要な保険は3つだけ

要らない保険の解約も、担当者を通さず、保険会社のコールセンターに自分で電話して進められます。保険営業マンに近づかない理由は、2月の記事にもまとめました。

【要注意】保険営業マンに近づくな|元販売側・40歳リタイアが語る保険業界の不都合な真実

▼この章で参考にした一次情報

・プルデンシャル生命保険「不審な金銭取り扱い等に関する確認を実施しております」(2026年10月28日確認)

・プルデンシャル生命保険「弊社元営業社員による不適切な金銭受領事案について」2026年10月8日

・プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンほか「お客さまへの補償の進捗状況について(2026年9月16日時点)」2026年10月8日

まとめ|だまし取ったら犯罪、保険の人とお金の話はしない

プルデンシャルの157人処分は、業界の構造の話ではなく、犯罪の話です。仕組みの問題は会社も金融庁も認めましたが、だまし取った本人の責任は消えません。

保険の担当者とは、お金の話をしない。「現金で」「会社名義じゃない口座に」「儲け話」「貸して」が出たら、払う前に止まる。

金融の営業マンには、極力会わない。電話にも出なくていいです。

今日やることは1つだけです。

手元の保険証券を出して、保険会社のコールセンターの番号をスマホに登録してください。用があるときは、担当者ではなく、自分からそこに電話すればいい。

▼お金を守る話をもっと読みたい方はこちら

守るちから

▼参考資料(2026年10月28日確認)

・金融庁「プルデンシャル生命保険株式会社、ジブラルタ生命保険株式会社及びプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社に対する行政処分について」2026年10月9日

https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20261009/20261009.html

・プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンほか「金融庁による行政処分について」2026年10月9日

https://www.prudential.co.jp/news/pdf/1042/20261009.pdf

・プルデンシャル生命保険「社外特別調査委員会による調査報告書の公表およびお客さま本位の業務運営の徹底に向けた取り組みについて」2026年10月8日

https://www.prudential.co.jp/assets_item/25/20261008_3.pdf

・プルデンシャル生命保険「弊社元営業社員による不適切な金銭受領事案について」2026年10月8日

https://www.prudential.co.jp/news/pdf/1039/20261008_2.pdf

・プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンほか「お客さまへの補償の進捗状況について(2026年9月16日時点)」2026年10月8日

https://www.prudential.co.jp/news/pdf/1038/20261008_1.pdf

・社外特別調査委員会「調査報告書(開示版)」2026年10月3日

https://www.prudential.co.jp/assets_item/26/20261008_4.pdf

・プルデンシャル生命保険「ガバナンス態勢および営業諸制度の抜本的な見直しに向けプルデンシャル生命における新規契約の販売活動を90日間自粛」2026年2月4日

https://www.prudential.co.jp/news/pdf/989/20260204.pdf

・プルデンシャル生命保険「不審な金銭取り扱い等に関する確認を実施しております」

https://www.prudential.co.jp/info_confirmation/

※数字は過去の実績で、将来の成果を約束するものではありません。

※補償の審査は今も続いており、人数や金額は今後変わることがあります。

※ぱぐおはリベシティ応援会員です。資産形成の原点は両学長(リベラルアーツ大学)の考え方から学びました。

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はじめまして、鼻つぶれぱぐ男です。 「一人でも多くの人がお金に困らない人生を送れるように」をコンセプトに、新NISA・インデックス投資・固定費削減・保険の見直しなど、シンプルで再現性の高いお金の話を発信しています。 40歳でアーリーリタイアを達成。難しい金融知識ではなく、普通の人が実践できる方法にこだわってお伝えしています。ブログ・YouTube・音声配信・noteでも情報発信中です。ぜひあわせてご覧ください!
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