スタグフレーションが来るかもしれない——日本と米国に迫るリスクをわかりやすく解説
スタグフレーションが来るかもしれない——日本と米国に迫るリスクをわかりやすく解説
このブログは「一人でも多くの人がお金に困らない人生を送れるように」という想いで発信しています。
今日は少し怖い話に聞こえるかもしれませんが、これはビビらせるための話ではありません。
世の中がどう動いているかを知っておくための話です。
最初に大事なことを言います。
新NISAでオールカントリーやS&P500をコツコツ積み立てている方は、今日の話を聞いても何も変える必要はありません。
商品の入れ替えも不要です。
淡々と続けてください。
ホルムズ海峡が事実上通れない状態になっている
まず日本に直接関係する話から始めます。
ホルムズ海峡が事実上封鎖に近い状態になっています。
「封鎖」という言葉は語弊があるので正確に言うと、
タンカーが通れなくなっているという状況です。
なぜかというと、保険の問題があります。
皆さんも車を運転するなら自動車保険に入っていますよね。
大きな事故が起きたときに払いきれないから保険に入る、それと同じで、タンカー会社も保険に入っています。
ところが今、イランの沿岸付近で小型ボートに乗った武装勢力がタンカーを狙っている状況があります。
これを知っている保険会社は「この海域を通って被害を受けても保険を下りません」と言い始めています。
保険が下りないなら、タンカー会社としては通れません。
だからホルムズ海峡を通れるタンカーがほとんどいない、事実上の封鎖に近い状態になっています。
原油・肥料が届かないとどうなるか
タンカーが通れないということは、原油や肥料が届きません。
届かなければ燃料が少なくなり、少なくなれば価格が上がります。
これは単純な需要と供給の話です。
さらに、肥料もホルムズ海峡経由で運ばれるものがあります。
肥料が届かなければ農作物の収穫量が減ります。
トウモロコシ、小麦などの穀物が減れば価格は上がります。
欲しい人が多いのに数が少なければ、値段が上がるのは当然です。
こうしてさまざまなものの値段が上がっていく状態、これをインフレと言います。
この2〜3年で食料品や日用品の値段が上がっているなと感じている方が多いと思いますが、あれがインフレです。
インフレが続くと金利が上がり、株価にも影響する
インフレ率が高くなると、日本も米国も金利を上げていく必要があります。
金利は言わばインフレに対する「瓶の蓋」のようなもので、上から押さえ込んで価格の上昇を抑える役割を持っています。
そして金利が上がると、株価は逆方向に動きます。
これは覚えておいてください。
株価というのは「PER × EPS」という式で表せます。
PERは期待、EPSは企業の実際の利益です。
金利が上がると、まずPER(期待)が剥がれます。
期待が下がれば株価が下がります。
たとえばPERが20倍だったのが10倍になれば、それだけで株価は半分になります。
2022年を思い出してください。
ウクライナとロシアの戦争をきっかけに原油や穀物の供給不安からインフレが加速し、米国のFRBが金利をどんどん引き上げました。
その結果、2022年の前半に米国株が大きく下落しています。
そしてインフレが落ち着いてきたので利下げへと転換し、2023年・2024年・2025年と3年連続でプラスになりました。
金利と株価が逆に動いているのがよくわかります。
スタグフレーションとは何か——最悪のシナリオ
今回特に話したいのは、スタグフレーションというリスクです。
通常のインフレ局面(2022年のような状況)では、景気自体はまだ悪くありませんでした。
インフレを抑えるために金利を上げ、それで落ち着いたら利下げして景気を回復させる、という流れができます。
しかし今回考えられるのは、インフレが続きながら景気も悪化するという状態です。
企業は物の値段を上げても売れないため、利益が下がります。
利益が下がると、人件費を削るためにリストラをします。
雇用が減ります。
そうなると人々はさらに物を買わなくなります。
企業の利益(EPS)も下がります。
先ほどの式に戻ると、PERも下がり、EPSも下がれば、株価は大幅に下落します。
仮に両方が半分になれば、株価は4分の1になります。
これが「インフレ(物価上昇)」と「スタグネーション(景気停滞)」が同時に来るスタグフレーションです。
過去の例で言えば、1970年代のオイルショック時に起きた現象です。
通常の景気後退とは違い、金利を下げて景気を刺激することもできない——
なぜならインフレが続いているから——という袋小路に入る状態です。
マグニフィセント・セブンにも影響が出る可能性
AI関連の大型テック株、いわゆるマグニフィセント・セブン(Amazon・Meta・Google・Microsoft・NVIDIAなど)についても触れます。
これらの企業はAI開発で後れを取ってはいけないと、巨額の先行投資を続けています。
データセンターの建設、半導体の調達、エネルギーの確保。
しかし原油が届かなければ、そもそも建設が遅延します。
材料が手に入らなければ、利益が出ません。
先行投資を続けながら実際の利益が出ないという状態が続けば、次の四半期決算で利益の下方修正が出る可能性があります。
そのとき株価はどう動くか——PERが剥がれた上にEPSも下がれば、株価は大きく落ちます。
SNSなどで「今が買い場だ」と言っている人が多いですが、先のことは誰にもわかりません。
PERが下がったから割安だと言っても、EPSまで下がればその判断は意味をなしません。
個人的には無責任な発信だと思っています。
戦争が終わっても経済封鎖はすぐに解けない
仮にトランプ大統領が停戦合意を宣言して戦争が終わったとしても、経済的な影響はすぐには消えません。
中東情勢が安定するには時間がかかります。
原油の流れが一度止まった影響は、じわじわとボディーブローのように効いてきます。
皆さんの生活に「すぐに」影響が出るわけではありませんが、数ヶ月後に食料品や光熱費がさらに上がっているということは十分あり得ます。
その点は頭に入れておいてください。
コア投資を続けている人は関係ない——本当に
最後にもう一度、大事なことを言います。
新NISAでオールカントリーやS&P500を積み立てているコア投資の方には、今日の話は関係ありません。
20年後・30年後のための積み立てです。
株価が下がるなら、むしろドルコスト平均法で安く買えるタイミングになります。
ラッキーだと思ってください。
10%の下落は調整相場です。
20%下がっても大したことはありません。
それくらいはしょっちゅうあります。
30%落ちたら「久しぶりに来たな」くらいの気持ちで構えておく。
そのメンタルが大事です。
今日の話が当てはまるのは、サテライト投資として個別株や大型テック株を持っている方です。
スタグフレーションが来る可能性を頭に置いた上で、自分のポジションを見直してみてください。
スタグフレーションが来るかどうかは、正直わかりません。
でも「来るかもしれない」という前提で考えておくことは大事です。
気づいたときにはもう株価は大きく下がっていた、ということが起きないように。
投資は自己責任で。
コアはバイ・アンド・ホールドで。
今日も気をつけていってらっしゃい。
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