債券よりゴールド?40歳リタイアが教えるポートフォリオの守り方【2025年以降の資産防衛】
債券よりゴールド?40歳リタイアが教えるポートフォリオの守り方【2025年以降の資産防衛】
はじめに:この記事は誰向けか
まず最初に言っておきます。
新NISAでオールカントリーをコツコツ積み立てている方には、今日の話はほとんど関係ありません。
毎月お給料が入って、その一部を愚直に積み立てているあなたは、そのまま続けていただくのが正解です。
今日の話は、こういう方向けです。
・すでにリタイアまたはセミリタイアしている
・資産額がある程度大きくなってきて、守りを意識し始めた
・コア投資(オールカントリー積み立て)に加え、サテライト投資も考えている
「増やすより減らしたくない」という気持ちが出てきた人に向けた話です。
なぜ今、ゴールドが注目されているのか
ここ数年のゴールドの成績は、はっきり言って優秀です。
2024年は主要資産の中でもトップクラスのリターンを記録し、2025年・2026年にかけても価格の上昇が続いています。
一時的な急騰・急落もあるのがゴールドの性質ですが、大きなトレンドとして「ひたひたと上がり続けてきた」のは事実です。
ではなぜゴールドが買われているのか。
一番大きなきっかけは2022年のロシアによるウクライナ侵攻です。
このとき、アメリカはロシアの外貨資産を凍結しました。
いわゆる「資産凍結」です。
これを見た世界中の新興国は震え上がりました。
「今まで安全だと思っていた米国債や海外に預けたゴールドが、いざとなれば使えなくなるかもしれない」という現実を突きつけられたからです。
その結果として起きたのが、各国中央銀行による金(ゴールド)の保有増加です。
米国債を売り、ゴールドを買うという流れが、特に新興国を中心に進んできました。
「どの国にも管理されない無国籍通貨」としてのゴールドが、再評価されたわけです。
ドル安局面ではゴールドが強くなる
もう一つの重要なポイントが「ドル安」です。
トランプ政権下では保護主義的な政策が続いており、長期的なドル安トレンドが進みやすい環境にあります。
ドル安局面では、米国から資金が流出しやすくなります。
米国株だけでなく、米国債にも同じことが言えます。
ドル安の流れとともに、資金は新興国やコモディティ(原材料)市場に向かいやすくなります。
ブラジル・メキシコ・中東など、資源を多く持つ国々への投資機会も高まります。
さらに、現在、ドル安局面と世界的にインフレが加速しやすくなります。
イラン戦争におけるホルムズ海峡事実上封鎖影響による経済的な混乱です。
現在は、一時的にドル高・インフレが進んでいます。
インフレが高止まりすると、債券金利は上昇し、債券価格は下落します。
金利と債券価格は逆の動きをするというのは、資産管理をする上で押さえておきたい基本です。
スタグフレーションと債券リスク
現在の懸念として、スタグフレーション(景気後退+インフレの同時進行)のリスクがあります。
インフレが収まらない中で景気が悪化するという最悪の組み合わせです。
物の値段は上がるのに、消費は落ち込み、企業業績も悪化する。
金利は高止まりし、株価も債券価格も下落するという局面です。
このシナリオが長期にわたって続くとしたら、米国債を「安全資産」として保有し続けることのリスクは、従来よりずっと大きくなります。
債券の長期金利に「スーパーサイクル」とも呼ばれる長期上昇局面が来るかどうかは誰にも断言できませんが、もしそうなれば2030年代にかけて米国債の価格は長期的な下落圧力にさらされる可能性があります。
逆に言えば、その局面でゴールドは相対的に強くなりやすいということです。
データで見る:ゴールド vs 米国債(2005〜2024年の比較)
実際に数字で見てみましょう。
2005年から2024年の約20年間で、以下の3つのポートフォリオを比較しています(初期投資1万ドル・年1回リバランス・配当再投資あり)。
米国株(SPY)50% + ゴールド(GLD)50%
・総リターン:約601% ・年率リターン:約10.2% ・最大ドローダウン:約-16%
米国株(SPY)50% + 米国債(AGG)50%
・総リターン:約285% ・年率リターン:約6.97% ・最大ドローダウン:約-16%
米国株(SPY)100%
・総リターン:約607% ・年率リターン:約10.3% ・最大ドローダウン:約-37%
この数字から何が読み取れるでしょうか。
まず、純粋なリターンでは米国株100%が一番良いです。
だからこそ、コアで積み立てをしている方にはこの話は不要と言っています。
ただし、リタイア後や資産が大きくなってきた段階では「最大ドローダウン」が重要になります。
リーマンショック時には株式100%のポートフォリオが最大37%の下落を経験しました。一方、ゴールドを組み合わせたポートフォリオでは約16%の下落にとどまりました。
資産を取り崩しながら生活する段階では、暴落時に株を売らざるを得ない状況が最もリスクが高いです。
これを「順序リスク」と呼びます。
ゴールドの組み合わせは、このリスクの緩衝材になり得ます。
さらに注目したいのが、2022年のインフレ相場です。
このときゴールド入りポートフォリオの下落が約-9%だったのに対し、債券入りは約-15%と、むしろ下落が大きくなりました。
インフレ局面では債券も株と一緒に売られるからです。
この点でもゴールドの優位性が確認できます。
ゴールドを「債券の代わり」に使う可能性
以上を踏まえると、今後10〜20年という長期で見たとき、ゴールドが米国債の役割の一部を担うシナリオは十分考えられます。
・中央銀行のゴールド保有増加トレンドは継続中
・ドル安局面でゴールドは相対的に強くなる
・スタグフレーション局面では債券よりゴールドの方が下落幅が小さい
・2004年以降のデータでは、リターンも債券を上回っている
もちろんこれは確実な話ではありません。
今後、米国が利下げに動き、米国債の買い場が来る可能性もあります。
わたし自身も「まあそうなるかもしれないな」くらいのスタンスで持論として話しています。
実際にわたしはどうしているか
わたし自身は、ゴールドをコア(超長期・30年単位)とサテライト(中長期・10年単位)に分けて保有しています。
コアのゴールドは、資産全体のバランスをとるための長期保有です。
サテライトのゴールドは、ドル安局面での上昇を見込んだ中長期保有です。
どちらも「短期で売り買いするもの」ではなく、資産の一角として静かに持ち続けるものとして位置づけています。
ゴールドはボラティリティが高い資産です。
急騰・急落を繰り返しながら大きなトレンドを描いていきます。
だからこそ、短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期の方向性に確信があるときにだけ保有するものだと思っています。
まとめ
ゴールドを「債券の代わり」として考える視点は、以下のような方に特に有効です。
・リタイア済み・セミリタイア済みで資産を守りたい方
・資産額が大きくなり、ドローダウンを小さくしたい方
・インフレ・ドル安・スタグフレーションリスクを意識している方
コアの積み立て投資をしている方は、今まで通り続けることが最善です。
ゴールドはあくまでサテライト投資の一角として、自分のリスク許容度と照らし合わせながら検討してみてください。
「一人でも多くの人がお金に困らない人生を送れるように」という想いで、これからも発信を続けていきます。
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