【2020年代後半に導入?】高齢者の金融所得が医療保険料に反映される時代へ|配当金・確定申告の落とし穴を40歳リタイア目線で解説
【2020年代後半に導入?】高齢者の金融所得が医療保険料に反映される時代へ|配当金・確定申告の落とし穴を40歳リタイア目線で解説
はじめに|金融機関が教えてくれないお金の話
このブログでは、金融機関や周りの人がなかなか教えてくれない「身近だけど重要なお金の話」を発信しています。
私は40歳でリタイアし、現在は資産運用を中心に生活しています。
一人でも多くの方が、お金に振り回されずに生きていくための判断材料になれば幸いです。
今回のテーマは
「高齢者の金融所得(配当金・利子)が医療保険料に反映される」というニュース
についてです。
参考サイト
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92685130Z11C25A1MM8000/
(出典:日本経済新聞)
日経新聞が報じたニュースの概要
2024年11月19日の日経新聞に、
「高齢者の金融所得(配当金・利子)を医療保険料に反映」
という記事が掲載されました。
政府は、2020年代後半を目途に、
高齢者が得ている配当金や利子などの金融所得を、医療保険料や窓口負担に反映させる方針を固めた、という内容です。
まだ導入時期は明確ではありませんが、制度の方向性としてはほぼ決まったと考えてよいでしょう。
後期高齢者医療制度の仕組み
75歳以上になると、日本では後期高齢者医療制度に加入します。
この制度では、
- 医療費の窓口負担は原則1割
- 所得が高い人は2割または3割
- 保険料は給与や年金などの「所得」で決定
という仕組みになっています。
ここで重要なのが、
これまで確定申告に載せていない(源泉分離課税)「金融所得」は原則として反映されてこなかった
という点です。
配当金が多くても「低所得者」になれた理由
例えば、
- 資産1億円
- 年間配当金500万円
- 給与や年金はほぼゼロ
こういった高齢者でも、配当金を確定申告しなければ、
保険料上は「低所得者」扱いになっていました。
特定口座(源泉徴収あり)で配当を受け取っていれば、
すでに20.315%の税金が引かれているため、
確定申告をしなくても違法ではありません。
この仕組みを使えば、
- 医療保険料:年間1万5,000円程度
- 窓口負担:1割
という状態が可能だったわけです。
「不公平だ」という声が出た理由
一方で、同じ500万円の配当金を
確定申告した場合はどうなるでしょうか。
- 所得としてカウントされる
- 医療保険料が大幅に上昇
- 年間約50万円超の負担
- 窓口負担も3割
この差はあまりにも大きく、
「確定申告する・しないの選択で負担が変わるのは不公平」
という声が上がったのです。
そこで政府は、
確定申告の有無に関係なく金融所得(配当金・利子)を把握し、保険料に反映させる
という方針を打ち出しました。
ちなみに、株式等の売却益(譲渡所得)は今回、関係ありません。
誰にとって朗報で、誰にとって悲報か
この制度変更は、
- 現役世代にとっては朗報
- 金融所得(配当金・利子)の多い高齢者にとっては悲報
- これから資産形成をしていき、金融所得(配当金・利子)を得ていく人
と言えるでしょう。
医療制度を維持するため、
これまで相対的に負担が軽かった層に、
まずメスが入った形です。
今後想定される混乱と影響
制度が本格導入されれば、
- 保険料が急に数十倍になる人
- 窓口負担が1割→3割になる人
- 市役所・病院窓口の混乱
などが想定されます。
「今まで安かったのに、急に高すぎる」
という不満は、確実に噴出するでしょう。
新NISA・会社員の健康保険は対象外
現時点での情報では、
- 新NISA口座の運用益
- 会社員が加入する健康保険
は、今回の対象外です。
ただし、将来的に制度が拡張される可能性は否定できません。
今できる現実的な対策
現時点で考えられる対策としては、
- 新NISAを優先して活用する
- 無配当のインデックスファンドを中心にする
- 配当金に依存しすぎない資産設計
- 会社員として健康保険に入り続ける
- マイクロ法人の活用(※将来は不透明)
などが挙げられます。
私自身のスタンスは変わらない
私は現在、
- 新NISA:全世界株・S&P500をBuy&Hold
- 特定口座:日本株の個別株を一部保有
という方針です。
今回のニュースが出たからといって、
すぐに売却することはありません。
現在、マイクロ法人を作って、健康保険なので、関係はありません。
制度が変われば、その時点で考えればいい。
知識を持っていれば、選択肢はいくらでもあります。
まとめ|制度変更に振り回されないために
今回のニュースは、
- お金のあるところから負担を求める
- 相互扶助という社会保険の原点
を改めて示したものだと感じます。
不満を言うよりも、
「今まで安くてありがとう」
と考えられるくらいの余裕を持ちたいところです。
制度は必ず変わります。
大切なのは、知識を持ち、選べる側でいることです。
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