
S&P500の平均利回りはほぼ存在しない?過去50年のデータから見るインデックス投資の現実
はじめに
こんにちは、鼻つぶれぱぐ男です。
このブログでは、金融機関や周囲の人があまり教えてくれない「お金のリアルな話」を、40歳でリタイアした私が発信しています。
今回は、**「インデックスファンドの平均利回りはほとんどその通りの年がない」**というテーマでお話しします。
インデックス投資を始めると「平均利回りは○%」という数字をよく耳にします。
しかし、その平均値に近い年は実際にはほとんど存在しません。
これは投資を続ける上で非常に重要な事実です。
S&P500の平均利回りとは?
S&P500は米国の代表的な株価指数で、過去50年間の年率平均リターン(配当込み・インフレ調整前)は**約10.8%**です。
これは1975年〜2024年のデータをもとに計算した数字で、配当を再投資したトータルリターンを使用しています。
- インフレ調整前の平均リターン:約10.8%
- インフレ調整後の実質リターン:約7%
投資の世界では、この10.8%という数字が「インデックス投資の目安」として紹介されることが多いですが、実際にこの数字に近い年はほとんどありません。
平均利回りに近い年はわずか2年
S&P500の過去50年間で、**平均利回り10.8%±1%(9.8%〜11.8%)**に該当した年は以下のわずか2年です。
- 1993年:10.08%
- 2004年:10.88%
さらに近い数字として2016年の11.96%がありますが、それでも条件外です。
つまり、「平均利回り」という言葉は長期的な統計の結果であり、単年ではほとんど再現されないということです。
年間リターンの分布を分析
50年間の年間トータルリターン(配当込み)を分布で見ると以下のようになります。
- 20%以上の上昇:16年
- 10〜20%の上昇:14年
- 0〜10%の上昇:9年
- -10〜0%の下落:7年
- -20〜-10%の下落:1年
- -20%以上の下落:3年
この数字からわかることは、上昇の年が全体の約8割を占める一方で、大きな下落も定期的に訪れるということです。
平均利回りを信じすぎるリスク
平均利回り10.8%を単年で期待すると、実際の値動きとのギャップに驚くかもしれません。
たとえば、ある年は+30%上昇しても、翌年は-20%下落することがあります。平均はその結果として算出されるものであり、毎年安定してその数値を得られるわけではありません。
この点を理解しておかないと、下落相場で不安になり、積み立てをやめてしまう危険があります。
長期投資家の心構え
S&P500に長期投資する場合、5年のうち約4年は上昇するが、1年は大きく下落するくらいの心づもりが必要です。
特に30年スパンで見ると、そのうち約10年はマイナスの年になると覚悟しておくべきです。
暴落時こそ積立のチャンス
下落相場では資産評価額が減りますが、その分同じ金額で多くの口数を買うことができます。これが長期的な資産形成において大きな効果を生みます。
予測はほぼ不可能
どの年に上昇し、どの年に下落するかを正確に予測することは困難です。
そのため、一定額を淡々と積み立てるドルコスト平均法が有効になります。
まとめ
- S&P500の平均利回り10.8%に近い年は過去50年でわずか2年。
- 上昇年は全体の約8割だが、大きな下落も周期的に発生する。
- 平均値はあくまで長期データの結果であり、単年では大きくブレる。
- 下落時も積立を継続し、長期目線で資産形成を行うことが重要。
インデックス投資は「平均利回り」に惑わされず、長期的な右肩上がりのトレンドを信じて継続することが成功の鍵です。