電力株は持ち続けて大丈夫?持株会のリスクと資産分散のすすめ

はじめに
おはようございます、鼻つぶれぱぐ男です。
このチャンネルでは、金融機関や周囲の人があまり教えてくれないような、身近で「へぇ~」と思えるお金の話を、40歳でリタイアした私が発信しています。
少しでも多くの人が、お金に困らない人生を送れるようになってほしいという思いで配信しています。
今回は音声配信のスタンドFMに寄せられた質問にお答えします。
音声配信のスタンドFMのレターは匿名で、他の方には内容が見えないようになっておりますので、気軽に質問を送っていただければ嬉しいです。
詳細まで公開してもいい場合は、そう書いていただければ内容を踏まえてお話しさせていただきます。
■ ご質問の内容について
今回の質問者さんは、電力会社の持株会を通じて自社株をコツコツ購入され、評価額が現在1,000万円ほどに。
配当も年間25万円ほどあり、非常に堅実な資産形成をされている印象です。
過去には評価額が1,500万円相当まで上がったこともあれば、不祥事などで一時は900万円台まで下落したこともあったとのこと。
安定しているようでいて、やはり個別株ならではの値動きリスクを感じておられるようです。
また、質問者さんは45歳で、お子さんに資産を引き継ぎたいという希望も持たれており、今後も不労所得を伸ばしていきたいと考えているとのことでした。
なので、電力株についてどう思いますか?という質問です。
■ 私の投資スタンスと電力株の位置づけ
まず私自身は、ディフェンシブ株(景気の影響を受けにくい安定業種)を中心に日本株を保有していますが、電力株は保有していません。
理由は、連続増配している企業を重視しているからです。
電力株は確かに安定配当のイメージがありますが、配当成長率があまり高くない傾向があり、「持ち続けて増える」かというと、やや慎重に見ています。
■ 持株会のメリットとリスク
持株会には企業からの奨励金や割引などのメリットがある一方で、資産が1社に集中しやすいという大きなリスクがあります。
実際に質問者さんのケースでも、評価額の振れ幅が大きく、不正や市場の影響で急落した経験をお持ちです。
この「集中投資」は、どれだけ安定して見える企業でもリスクが伴います。
会社に勤めていると、給与・賞与・退職金、そして株式までもが同じ会社に依存する状態になりがちです。
これはリスクの分散という点からは非常に危険です。
■ 資産分散の重要性
持株会での投資は今まで通り続けても良いと思いますが、全体の資産配分を見ながらバランスを取ることが大切です。
もし現時点で持株会の割合が大きくなっているのであれば、これからは持株会への拠出を控えめにし、他の資産、たとえば投資信託やETF、iDeCo、NISAなどに資金を回すことをおすすめします。
特に、お子さんに資産を引き継ぎたいという想いがあるのであれば、長期的な視点でリスクを低減させる設計が必要です。
■ 電力株の今後と投資判断
今後、日本では半導体工場の建設や電力需要の増加が予想され、電力会社の重要性は増す可能性があります。
原発比率が高めの会社であれば、再稼働や政策の影響も大きく、株価や業績が大きく動く余地があります。
一方で、PBR(一株あたり純資産倍率)が低く放置されていることが多く、東証の要請によって企業が株主還元を強化する流れもあります。
こうした背景から、一定の見直し買いが入ることも想定できます。
ただし、過去には原発事故などで無配に転落した企業もありますので、配当を目当てにする場合はリスク管理が必要です。
■ まとめ:電力株は安定性あり、でも“集中”には注意
電力株はディフェンシブ銘柄として一定の魅力はあるものの、成長性や増配にはやや乏しい面があります。
安定した配当収入を得たいという目的であれば良い選択ですが、持株会を通じて1社に偏りすぎるのは非常にリスクが高いです。
資産全体のバランスを見直し、他の資産への分散も検討されることをおすすめします。