保険の解約タイミングと今後の運用先は?──年利1.5%の終身保険をどうするか考える

はじめに
こんにちは、鼻つぶれぱぐ男です。
このブログでは、金融機関や周囲の人がなかなか教えてくれない、身近で「へぇ〜」と思えるお金の話を発信しています。
今日もリスナーさんから届いた質問にお答えしていきます。
■ ご相談内容:終身保険の扱いについて
今回の質問者さんは52歳の方で、すでに「つみたてNISA」や「iDeCo」にも取り組んでいるとのこと。素晴らしいですね。
2010年から学費積立と死亡保障を目的に、東京海上日動あんしん生命の「長割終身(低解約返戻金型)」に加入されており、2020年に10年払い込みを完了。
現在は毎年1.5%ほど返戻率が増えるという内容です。
保障内容は死亡および高度障害200万円。今後この保険をどうするか、というご相談です。
■ 年利1.5%の運用は得か損か?
結論から申し上げると、「年利1.5%」という運用は、やや物足りない印象です。
確かに保障も続くという安心感はありますが、現在の投資環境では「もっと増やせる選択肢」が存在します。
たとえば米国債券(現物)であれば、4%台の利回りを狙える時代です。
為替リスクはありますが、円に戻さずドルで持ち続ける方法もあります。
■ 保険解約を考えるタイミングとは?
既に10年の保険料は支払い済み。保障も続いているなら、保険を解約するかは以下のようなポイントで考えましょう。
- 保障が必要かどうか
ご自身が亡くなった際に、残された家族が経済的に困るかどうか。もし貯蓄などでカバーできるなら、死亡保障はそこまで重視しなくて良いかもしれません。 - 資産の全体像
教育資金・生活費・老後資金を分けて考えるのではなく、家庭全体の資産を一つの「お財布」として捉えることも大事です。その中でどこにリスクを取って、どこに安定性を求めるかを判断します。
■ 解約後のお金の運用先
もし保険を解約して資金が戻ってきた場合、そのお金をどこに置くかがポイントです。
具体的には以下のような選択肢があります。
1. 米国債の現物(SBI証券や楽天証券で購入可能)
2年〜30年と期間も選べ、利回り4%前後。元本保証はありませんが、国債なのでリスクは比較的低めです。
2. ドル建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)
こちらも4%前後の利回り。安全性重視ならおすすめです。短期で資金を寝かせたい人に向いています。
3. 新NISAの成長投資枠を活用
低コストのインデックスファンドに15年スパンで投資するのも、十分な利回りが期待できます。
つみたてNISAとは異なり、まとまった資金を一括で投資できるのが特徴です。
■ 為替リスクとどう向き合うか
ドル建て商品には為替の変動リスクがあります。
ただし、円高のときに円に戻さず「ドルのまま運用」する方法を取れば、そのリスクはある程度抑えられます。
また、ゼロクーポン債という利子を受け取らずに満期にまとめて利息を受け取る米国債もあります。
福利運用が可能で、長期資産としては有効です。
■ 保険をそのまま維持するのも一つの手
もちろん、今すぐに大きなリターンを求めるわけではなく、「元本の目減りがない安心感」を最優先するなら、現在の保険をそのまま持ち続けるのも悪くありません。
お子さんの教育費が近くで必要になる可能性があるなら、そのときまで解約せず保有しておくという選択も有効です。
■ 葬儀費用と死亡保障の考え方
質問者さんのように「死亡保障があるから」と継続を迷っている方も多いですが、実際には「葬式代」程度しかかからないご家庭もあります。
私は個人的に「生前葬でみんなに会っておく派」なので、葬式費用も最小限にしたいと考えています。
必要以上に死亡保障を持つ必要はないのでは、と思っています。
■ まとめ:自分の「お金の使い方」の方針を決めよう
最終的には、「自分のお金をどう使いたいか」がすべての判断基準です。
資産を守るのか、増やすのか、それとも誰かのために使うのか。
解約・継続のいずれにしても、「資産全体で見たときに、その選択が意味のあるものか?」を軸に考えるのがおすすめです。
それでは今日も、良い一日を。いってらっしゃい!
質問も引き続き募集中です。お気軽にどうぞ。