
将来の私的年金は高配当株でなくても良い?ETFでつくる安定した資産形成の考え方
はじめに
このブログでは、金融機関や周りの人がなかなか教えてくれない「へぇ」と思えるお金の話を、40歳でリタイアした私・鼻つぶれぱぐ男が発信しています。
一人でも多くの方がお金に困らない人生を歩んでほしいという思いから書いています。
今回のテーマは「将来の私的年金を作るなら高配当株じゃなくてもいいのでは?」という話題です。
投資に関心を持つ方なら「配当金」「分配金」という言葉に魅力を感じたことがあるでしょう。
しかし、実は高配当株にこだわらなくても、ETFなどを活用することで十分に将来の年金代わりになる仕組みを作ることができます。
私的年金と配当金の魅力
私的年金という言葉は、老後の生活費を自分の資産から補う仕組みを指します。
配当金や分配金を定期的に受け取れると「チャリンチャリン」とお金が入ってきて精神的な安定につながります。
売却をしなくても現金が手元に入るため、生活の一部を支える心強い存在になります。
ただし、若い世代、特に20代や30代の方は「今は配当金はいらない。最終的に売却で取り崩せばよい」と考えるケースも多いでしょう。
確かに低コストのインデックスファンドを積み立て、老後に売却して資金化する方法は合理的です。
しかしそれだけでは「資産を取り崩すストレス」が発生する可能性があります。
資産を取り崩す心理的ハードル
これまで一生懸命に貯めてきたお金を、老後に取り崩すときに「もったいない」と感じる方は少なくありません。
これは人間の心理として自然なものです。
そのため、計画的に資産を減らしていくことが精神的な負担になる場合があります。
そこで有効なのが「小さな配当金や分配金を受け取る習慣をつけておくこと」です。
少額でも構いません。
例えば毎月の分配金でおやつを買ったり、家族との食事に使ったりするだけで「お金は使うための道具」という感覚が身につきます。
高配当株にこだわらなくても良い理由
高配当株は確かに魅力的ですが、リスクも伴います。
企業の業績次第で配当が減配される可能性もあり、銘柄選びの知識や手間もかかります。
そこでおすすめなのがETFです。
特に米国の代表的なETFは分散が効いており、長期的に見れば配当も右肩上がりで増えていく傾向があります。
VOOの事例:将来の「高配当株化」
米国ETFの代表例として Vanguard S&P500 ETF(ティッカー:VOO) があります。
- 経費率:0.03%(非常に低コスト)
- 分配金:年4回(3月・6月・9月・12月)
- 利回り(直近):約1.17%
一見すると配当利回りは物足りなく見えます。しかし注目すべきは「増配率」です。
例えば2015年にVOOを186ドルで購入したとします。
その時の年間分配金は約3.93ドル、利回りは2.09%でした。
ところが2024年には株価が538ドル、分配金は6.70ドルに増加。
株価の上昇と分配金の増加により、2015年に投資した人の実質利回りは 3.58% にまで成長しているのです。
つまり、時間をかけて投資を続ければ、VOOのようなETFも将来的には「高配当株」に変わる可能性があるということです。
国内ETF「1655」の活用
「米国ETFは買いにくい」という方には、日本市場で購入できるETFもあります。
例えば iシェアーズ S&P500 米国株ETF(銘柄コード:1655) です。
- 信託報酬:0.066%
- 分配金:年2回(2月・8月)
- 為替ヘッジなし(長期的には米ドル資産の恩恵を受けられる)
このETFも分配金が徐々に増えており、国内市場で簡単に取引できる点が大きなメリットです。
米国ETFと違って外国税の二重課税を回避できるのも利点です。
配当金を受け取る習慣が大切
資産形成のゴールは「お金を増やすこと」ではなく「お金を安心して使えること」です。
そのためには、少額でも配当金や分配金を受け取り、それを使う習慣をつけることが重要です。
例えば:
- 分配金でカフェに行く
- 家族にちょっとしたプレゼントをする
- 趣味の費用に充てる
こうした小さな習慣が、老後に資産を取り崩す心理的な負担を和らげてくれます。
まとめ
高配当株にこだわらなくても、ETFを通じて将来の私的年金を作ることは十分可能です。
特にS&P500連動のETFは、分配金が右肩上がりに成長していく可能性があり、長期投資の結果「高配当株のように」育つ可能性があります。
大切なのは「増やす」だけでなく「受け取る」「使う」習慣を持つことです。
資産は道具であり、使ってこそ人生を豊かにします。
これから投資を始める方や、老後資金の形成を考える方は、ETFの分配金も視野に入れて計画を立ててみてはいかがでしょうか。
👆 以上、鼻つぶれバグ男でした。今日も気をつけていってらっしゃい。