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全世界株の国別構成比率から見える、アメリカ株一強時代の危うさ

全世界株の国別構成比率から見える、アメリカ株一強時代の危うさ

moomoo証券

はじめに


こんにちは。40歳でリタイアした鼻つぶれぱぐ男です。
このブログでは、金融機関や周囲の人がなかなか教えてくれない「へぇ〜」と思えるようなお金の話を、皆さんと共有しています。
今日のテーマは 「全世界株の国別構成比率」 についてです。

聞いたことがある方も多い内容かと思いますが、少し深堀りしてお話ししていきます。


全世界株といえば「オールカントリー」

まず、全世界株に投資する代表的なファンドとして有名なのが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。通称「オルカン」とも呼ばれています。

この商品は世界中の株式市場に自動でリバランスしてくれる便利なファンドで、初心者から上級者まで多くの方が利用されています。

ですが、ここで一つ意識しておいてほしいのが「国別の構成比率」です。


MSCI ACWIの国別構成比率を見てみよう

オルカンのベースとなっている指標「MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)」は、先進国23カ国と新興国24カ国の計47カ国で構成されています。

カバー率は、世界の投資可能な株式市場の約85%と、非常に広範囲です。

2025年1月末時点での国別構成比率は以下の通りです(iShares MSCI ACWI ETFより):

順位 国名 構成比率
1位 アメリカ 66.41%
2位 日本 4.75%
3位 イギリス 3.15%
4位 カナダ 2.88%
5位 スイス 2.60%
6位 中国 2.46%
7位 フランス 2.38%
8位 ドイツ 2.34%
9位 インド 2.34%
10位 台湾 1.70%

これを見るだけでも「アメリカの比率、ちょっと大きすぎない?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。


世界のGDPと比べるとどうか?

各国の経済規模、すなわちGDPと構成比率を比べてみましょう。

  • アメリカ:26.8%
  • 中国:16.9%
  • ドイツ・インド:4.2%
  • 日本:3.7%
  • イギリス:3.3%

アメリカのGDPは確かに世界最大ですが、株式の構成比率がGDPに比して過剰に大きいことがわかります。これは投資資金がアメリカに集中していることの表れであり、偏りすぎのリスクが潜んでいるとも言えます。


資金の集中とそのリスク

例えば、全世界株式においてアメリカが1%上昇したとき、組み入れ比率が66.41%なので、全体への影響が非常に大きくなります。一方で、ドイツやインドが同じく1%上昇しても、比率が2〜3%程度なので、全体に与える影響は限定的です。

また、もしアメリカの構成比率が将来50%まで下がった場合、16.41%分の資金が他の国へと移動することになります。この流れが、ドイツやインド、あるいはメキシコ(構成比率0.2%)のような小さな国に入れば、大きな株価上昇を引き起こす可能性があるのです。


コア・サテライト戦略で備える

私は「コア・サテライト戦略」で資産運用をしています。
コア(基礎)の部分ではオルカンなどを利用しつつ、サテライト(補助)でドイツ・インド・新興国などに分散投資しています。

オルカン一本での積み立てでも問題はありませんが、アメリカ偏重の構成比率を補うという視点を持っておくと、よりリスク分散が効くポートフォリオになります。


今、アメリカ株は「割高」かもしれない

現在、アメリカ株は割高であるとされ、利下げができない状況、財政政策など、さまざまな要因が重なり資金が他国へ流れ始めています。

これは一時的かもしれませんし、長期的なトレンドになるかもしれません。

いずれにせよ、現状の構成比率に疑問を持つ視点は、今後の投資判断に大きな意味を持ちます。


最後に:知識があることが最大のリスク回避

全世界株の国別構成比率は、普段何気なく目にしているかもしれませんが、その裏にある「資金の流れ」「成長期待」「市場規模の偏り」などを意識することで、より深く投資判断ができるようになります。

「アメリカ強いよね〜」で終わらせず、「ちょっと強すぎないか?」と考える視点を持つことが、将来のリスクを軽減する第一歩です。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは皆さん、気をつけて、いってらっしゃいませ!


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