変額個人年金保険は本当にお得?元金融機関勤務の私が「おすすめしない理由」を解説します
はじめに
このブログでは、金融機関や周りの人が教えてくれない「身近なお金の話」を、40歳でリタイアした私・鼻つぶれぱぐ男が発信しています。
一人でも多くの人が「お金に困らない人生」を歩めるように、実際の質問をもとに解説していきます。
今回は、リスナーの方からいただいた質問です。
「知り合いのライフプランナーに、変額個人年金保険を勧められて契約しています。
毎月5万円積立し、さらに増額もすすめられました。
年利10%の運用実例も提示され、良いのではと思っていますがどうでしょうか?」
先に結論をお伝えします。
結論:
私は変額個人年金保険はやりません。
すでに加入しているなら、検討し直すことをおすすめします。
但し、あくまで参考にしてください。
投資は自己責任でお願いします。
では、理由は大きく3つあります。
① 同じ利回りは「もっと低コスト」で実現できる
変額個人年金保険は「運用型」の商品です。
つまり、株式や債券で運用し、将来の受取額が変動します。
保険会社は「年利10%」という過去の運用例を提示してきますが、
年利10%という水準は、ここ最近(約3年間)では、低コストのインデックスファンドで普通に達成できている数字です。
例を挙げます。
| 商品名 | 種類 | 過去3年平均リターン | 信託報酬 |
|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) | 株式100% | 約24% | 0.057%前後 |
| ニッセイ・インデックスバランス4資産均等型 | 株式+債券50%ずつ | 約13% | 0.154% |
これらは 楽天証券やSBI証券で誰でも買える商品 です。
低コストで長期運用でき、手数料も極めて低いのが特徴です。
一方、変額保険は以下のような手数料が存在し、取られる場合があります。
- 契約時手数料
- 口座管理手数料
- 運用管理費用(信託報酬)
- 死亡保障コスト
- 解約控除 など
特に契約初年度、保険会社や担当者に大きな手数料が入ります。
あなたの保険料の一部が「運用」ではなく「営業マンの収入」になっているのです。
② 引き出しの自由度が低く、資金拘束が強い
提案の際には、
- 「必要なときに一部を引き出せる」
- 「資金繰りに使える」
と言われるケースが多いです。
しかし、実際には 解約控除 や 市場価格調整(MVA) があり、
タイミングによっては 元本割れする可能性が高い です。
「いつでも引き出せる」は、ほぼ誤解を招く説明です。
③ 保険会社の「販売側の論理」が強い商品
変額個人年金保険が積極的に売られる背景には、明確な理由があります。
保険会社と営業担当者が儲かるから です。
年金保険とはいえ、今回の商品は投資信託のラップみたいな商品です。
長期契約なので、継続すればするほど会社に利益が積み上がります。
契約時には、担当者に 年払保険料の30~100%近い手数料 が支払われることもあります。
たとえば
- 毎月5万円=年間60万円の契約
→ 初年度手数料が約40万円以上になることも珍しくありません。
つまり、担当者や会社が「あなたのため」と言っている場合でも、
その裏側には 売る側の利益構造 があるのです。
ではどうすべきか?
おすすめはシンプルです。
① 老後資金は年金保険ではなく、新NISA制度を活用
② 資産運用(新NISA制度)は低コストインデックスで行う
③老後などで必要になったタイミングで必要な金額だけ出す。
これが最も合理的で、再現性があり、自由度も高い方法です。
個人年金保険は出すタイミングは、決まってしまいます。
特に変額個人年金保険は投資信託で運用していますので、受取額が変動します。
もし、あなたの受け取り時に株式の大暴落があったら?
なので、低コストのインデックスファンドと現金をバランスよく、
自分の許容度の範囲内で持っている事で、
①株式暴落時は、生活費は現金。
②株式が上昇して、資産が戻ったら、株式から生活費を引き出し。
年齢があがると、リスク許容度は下がります。
まとめ
変額個人年金保険は、
- 手数料が高く
- 資金拘束が強く
- 同等以上の利回りを、もっと安く・柔軟に実現できる手段がある
ため、合理性の低い商品です。
「投資」と「保険」を切り分ける。
これが、本当に長く資産を守り増やすための基本です。
#変額年金保険
#投資初心者
#新NISA
#インデックス投資
#損しないお金の知識
#金融教育
#資産形成

