小金持ちへの道

株高のリスクを見極める|インフレと老後資金を守るための投資戦略

株高のリスクを見極める|インフレと老後資金を守るための投資戦略


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はじめに

このブログでは、金融機関や周囲の人があまり教えてくれない「身近なお金の話」を、40歳でリタイアした私がお伝えしています。

一人でも多くの人がお金に困らない人生を送っていただきたいとの思いで発信しています。今日のテーマは「今の株高は当たり前ではない」というお話です。

近年の株式市場の好調は投資を後押ししていますが、その裏には見逃せないリスクも存在します。


投資熱の高まりと株高の影響

最近はテレビCMやYouTube、雑誌などでも投資関連の広告をよく見かけるようになりました。

投資に興味を持つ人が増え、これまで市場に参加していなかった層も関心を示している印象です。

しかし、多くの人が「株を持っていればお金は増える」と安易に考え、資金計画を株高前提で組んでしまうのは危険です。

過度な楽観は、老後資金を守るうえでリスクとなります。


米国株のリターンの裏側

S&P500の過去10年間の平均リターンは年率15%と驚異的な数字です。

1000万円を投資していれば、年間150万円の利益が出る計算になります。

しかし、これは歴史的に見ても「出来すぎ」の結果です。

長期で見れば米国株の平均リターンは10%前後とされますが、常にその水準を期待するのは危険です。

さらに重要なのは、インフレを考慮した実質リターンです。

物価が3〜7%上昇すれば、数字上の資産増加も購買力ベースでは目減りしてしまいます。例えば物価が7%上がれば、年率10%のリターンでも実質は3%しか残りません。


インフレと資産運用の現実

インフレを考慮すると、株式リターンが大きく目減りする時代もあります。

実際に1930年代から1980年代までの米国株は、インフレを差し引くとほぼリターンが得られない期間が存在しました。

投資で資産が増えているように見えても、生活費が同じペースで上がれば豊かさは変わりません。

特に食品や生活必需品は価格上昇が激しく、体感的にはリターンを享受しにくいケースもあります。


老後資金と支出の落とし穴

老後になれば支出が減ると思う方も多いですが、実際にはそう単純ではありません。

医療費や生活費はむしろ増えることもあります。

長寿化が進む中で、生活のリズムも大きく変わらないため、支出は思ったほど減りません。老後資金の計画を「支出は自然と減る」という前提で立てるのは非常に危険です。


投資よりも大切な支出管理

投資成果に頼る前に重要なのは、日々の支出を見直すことです。

生活に不要な支出や固定費を削減するだけで、貯蓄率を大幅に高めることができます。

保険料、通信費、家賃などは大きな見直しポイントです。

収入を増やすのは難しくても、支出を減らすのは比較的実行しやすい行動です。


貯蓄率を上げる投資戦略

将来の資産形成を考えるなら「貯蓄率を上げる」ことが最も堅実な戦略です。

株価の動向は誰にも予測できませんが、投資に回す金額を増やせば安定した成果につながりやすくなります。

例えば給料のうち30〜40%を貯蓄・投資に回せれば、将来の安心度は大きく高まります。

現役世代であれば、嫌でない仕事を続けながら投資資金を積み増しするのが理想です。

すでにリタイアした場合は、リスク許容度を意識しつつ生活費を上げないことが大切です。


長期投資とリスク分散の考え方

投資戦略としては、低コストのインデックスファンドを中心に据えれば十分です。

分散投資にこだわる人もいますが、多くの場合はシンプルなインデックス投資で資産形成が可能です。

大切なのは「欲を出しすぎない」ことです。

株高が続いているからといってリスクを取りすぎるのは禁物です。


まとめ

今の株高は必ずしも「当たり前」ではありません。

インフレや実質リターンを意識せずに資金計画を立てると、老後に困る可能性があります。株式市場に過度な期待をせず、支出管理と貯蓄率向上を徹底することが、安定した資産形成のカギです。

投資で大切なのは「長期」「低コスト」「分散」そして「支出を抑える生活習慣」です。

株高に浮かれることなく、自分のリスク許容度を守りながら、堅実に将来の資産を築いていきましょう。


👉 今日も気をつけて、いってらっしゃい。

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