優良なインデックスファンドはなぜ低コストなのか?バンガード社の秘密を解説
はじめに
資産形成を始める際、多くの人が「インデックスファンド」に注目します。
特に優良とされるインデックスファンドは、低コストで提供されている点が大きな魅力です。
しかし、「良い商品なら価格が高いのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
本記事では、なぜ優良なインデックスファンドが低コストで提供できるのか、その背景や仕組みを解説します。
インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは、市場全体の動きを表す指数(インデックス)に連動するように運用される投資信託です。
たとえば、日経平均株価やS&P500などが代表的な指数です。
個別銘柄を選ばなくても、市場平均に投資できるため、多くの投資家に支持されています。
特徴としては以下の点があります。
- 分散投資が簡単にできる
- アクティブファンドより運用コストが安い
- 長期投資に向いている
中でも「低コスト」であることが、資産形成において非常に大きなメリットとなります。
バンガード社の存在と歴史
インデックスファンドを語るうえで欠かせないのが、アメリカのバンガード社です。
- 設立者:ジョン・ボーグル氏
- 設立年:1976年
- 世界初の個人向けインデックスファンドを提供
当初、インデックスファンドは「退屈で利益が出ない」と批判され、「ボーグルの愚行」とまで呼ばれていました。
しかし、現在では低コストかつ安定した成果を得られる金融商品として世界中の投資家から高く評価されています。
優良なのに低コストな理由① 多くの投資家が集まる仕組み
バンガード社の最大の強みは「規模の経済」です。
多くの投資家から資金が集まることで、1人あたりの運用コストを大幅に下げることが可能になります。
良い商品を低コストで提供 → 投資家が集まる → 資金が増える → さらに低コストで提供できる
という好循環が生まれているのです。
優良なのに低コストな理由② 投資家所有のビジネスモデル
もう一つの大きな特徴は、バンガード社が投資家所有の会社である点です。
通常の運用会社は株主の利益を優先します。
しかし、バンガード社はファンドを保有する投資家自身が株主となる仕組み(PTSモデル)を採用しています。
そのため、会社の利益を最大化するのではなく、投資家の利益を最優先に考えています。
結果として、運用コストを極限まで抑え、投資家に還元することが可能となっているのです。
アクティブファンドとの比較
一方で、アクティブファンドはファンドマネージャーが市場を分析し、銘柄を選んで運用します。
その分、人件費や調査費用がかかり、信託報酬は高くなります。
しかし実際には、市場平均を安定的に上回るのは難しく、手数料を差し引くと多くのアクティブファンドはインデックスファンドに劣後しています。
つまり、「高コスト=高い成果」ではなく、むしろ「低コストの方が投資家にとって有利」というケースが多いのです。
インデックスファンドが投資家に愛される理由
投資家がインデックスファンドを選ぶ理由は明確です。
- 運用コストが低い
- 長期で安定したリターンが期待できる
- 投資家目線で設計された商品
さらに、バンガード社は広告費をほとんどかけず、商品の質そのもので投資家を惹きつけています。
こうした姿勢が、世界中の投資家から支持を集める理由といえるでしょう。
まとめ:低コストには理由がある
優良なインデックスファンドが低コストで提供できるのは、以下の要素が組み合わさっているからです。
- 多くの投資家から資金を集めることで運用効率が高まる
- 投資家所有モデルにより利益を投資家へ還元している
- 無駄な広告費や余分なコストを削減している
「低コストだから質が悪い」という考え方は誤解です。
むしろ、長期的な資産形成においては、低コストこそが投資成果を高める大きな武器になります。
皆さんも、ご自身の投資先を選ぶときに「なぜ低コストなのか」という視点で考えてみると、新しい気づきが得られるかもしれません。