
謝罪よりも感謝を――接客と人間関係を円滑にする言葉の力
はじめに
このブログでは、金融機関や周囲の人が教えてくれない身近なお金の話を中心にお届けしていますが、今日は少し趣向を変え、人間関係や接客において大切だと感じている「感謝の伝え方」についてお話しします。
お金の話ではないのですが、日常や職場での人間関係に活かせる内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
金融機関で培った接客経験
私は大学卒業後、18年間にわたり金融機関で働き、そのほとんどを郵便局で過ごしました。
40歳まで窓口業務を中心に、多くのお客様と接してきました。
自分で言うのは気恥ずかしいのですが、接客のプロとして試行錯誤を重ね、お客様第一の姿勢を貫いてきたつもりです。
郵便局では15年間で6回も転勤を経験しました。
これは郵便局業界ではかなり多く、特にトラブルのある店舗の立て直し役を任されることもありました。
その中でさまざまなお客様に出会い、養子の話や家を譲るといった驚きの提案を受けたこともあります。
感謝の習慣に気づいた瞬間
ある日ふと、自分は日常的に「ありがとう」と口にしていることに気づきました。
コンビニのレジでも、店員さんとのやり取りが終われば自然と「ありがとう」と言っています。
逆に「すいません」はあまり使いません。
なぜかと言えば、自分がお客として接客を受けたときに「すいません」よりも「ありがとうございます」と言われた方が、圧倒的に嬉しいからです。
そして、店員さん側からしても、お客様に「ありがとう」と言われれば嬉しいはずです。
謝罪よりも感謝を伝える効果
接客業では、お客様が怒っている場面にも遭遇します。
そんなとき、ただ「申し訳ございません」と謝るだけでは事態が改善しないことも多いです。
私は部下が叱られている場面などで、横から「ご忠告、本当にありがとうございます。そのお言葉を次に活かします」と伝えることがありました。
不思議なことに、この一言でお客様のトーンが和らぐことが多いのです。
相手は怒りをぶつけたいだけではなく、自分の意見や改善案を聞いてほしいと考えています。
謝罪だけではその欲求は満たされませんが、感謝を示し、その上で「では、どう改善すればよいでしょうか」と尋ねることで、建設的な会話が生まれます。
職場でも有効な「感謝の姿勢」
この感謝の姿勢は、お客様相手だけでなく、職場内でも効果を発揮します。
部下や同僚の行動に不満を持ったとき、「なんでできないんだ!」と怒るよりも、「いつもありがとう。あなたならどう改善する?」と聞くほうが、相手は前向きに対応しやすくなります。
私は基本的に部下を怒鳴ったことはありません。
叱ることはあっても、それは相手が次に活かせるようにするためです。
怒りをぶつけるだけでは成長につながらず、人間関係も悪化します。
自分がされたらどう思うかを考える
接客や人間関係で大事なのは「自分が同じことをされたらどう感じるか」という視点です。謝罪ばかりの対応は、自分が客の立場なら物足りないはずです。
逆に感謝されれば、相手の印象は大きく変わります。
営業や成果に悩む職場でも、人間性を重んじる関係づくりは結果的に数字にも影響します。感謝の一言が、チームの雰囲気を変え、信頼を築く第一歩になるのです。
おわりに
今日はお金の話から離れましたが、「謝罪よりも感謝を」という考え方は、日常のあらゆる場面で役立ちます。
感謝は相手を尊重し、関係を前向きにします。
ぜひ、日々の会話に「ありがとう」を増やしてみてください。
きっと人間関係が少しずつ変わっていくはずです。
今日も気をつけて、いってらっしゃい。