リタイア後の税金が増える理由とは?資産管理の落とし穴
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はじめに
こんにちは、鼻つぶれぱぐ男です。
このブログでは、金融機関や周囲の人が教えてくれない「身近なお金の話」を発信しています。
一人でも多くの人が、お金に困らない人生を送るための情報をお届けします。
リタイア後のほうが税金を払っている?
「リタイアしたら収入がなくなるから、税金も減るはず」と思っていませんか?
実は、リタイア後のほうが税金を多く払うケースがあるのです。
「え?収入がないのに?」と疑問に思うかもしれませんが、これは投資をしている人にとって重要な話です。
リタイアを検討している方にも参考になると思うので、詳しく解説していきます。
会社員時代の税負担
まず、会社員時代の税負担を振り返ってみましょう。
会社員の給与には、給与所得控除が適用されます。例えば、私が年収600万円の時、給与所得控除や基礎控除などがあるため、実際に課税される所得は大幅に少なくなります。
具体的には、会社員時代の税金は以下のようなイメージでした。
- 所得税:年間20万円程度
- 住民税:年間20万円程度
- 社会保険料:健康保険・年金を含めて月8万円ほど(年間約90万円)
特に社会保険料は高いですが、会社が半分を負担してくれるため、実際は年間で180万円の個人の負担は軽減されていました。
リタイア後の税負担が増える理由
リタイア後は給与収入がなくなるため、所得税や住民税の負担は減るように思えます。しかし、実際には投資収益に対する税負担が大きくなることがあります。
1. 株式売却益・配当金に対する課税
リタイア後の生活費を投資の売却益で賄う場合、特定口座(源泉徴収あり)で取引していると、売却益や配当金に対して20.315%の税金がかかります。
例えば、年間300万円の売却益があった場合、約60万円が税金として引かれます。これは会社員時代の所得税と住民税の合計よりも高額になります。
2. 給与所得控除の消失や総合課税
会社員時代は給与所得控除もあり、かつ年収がそんなに高くない私としては、総合課税の累進課税制度ではそんなに税金はとられませんでした。
しかし、リタイア後に投資収益で生活する場合、この控除は適用されません。
その結果、株式売却益や配当所得がそのまま課税対象となり、相対的に税負担が増えてしまいます。
3. 健康保険料の変化
リタイア後は社会保険に加入しないため、国民健康保険に切り替わります。この保険料は前年の所得に応じて決まるため、投資収益が多いと保険料が大幅に上がる可能性があります。
そして、会社員時代のように会社が半分負担してくれることもありません。
また、家族がいるひとは、国民健康保険や国民年金には扶養という概念はなく、負担額はさらに増えます。
現在は、自分で会社を作っているので、社会保険料は非常に少ないです。
このように、リタイア後は自分で色々工夫しなければ、社会保険料は高くなります。
税負担を抑えるための対策
リタイア後の税金を抑えるためには、以下のような対策を検討しましょう。
1. NISA・新NISAを活用する
新NISA口座で運用すれば、売却益や配当金に税金がかかりません。長期的に資産を増やしつつ、税負担を軽減できます。
2. 退職前に資産配分を見直す
リタイア前に、課税対象となる特定口座の資産を非課税口座(NISAやiDeCo)に移行できるか検討しましょう。
3. 計画的な売却を心がける
一度に大きな金額を売却すると課税額が増えるため、必要な分だけを分割して売却するのがポイントです。
また、年金受給が始まる前の低所得期に売却を進めることで、税負担を抑えることができます。
4. ふるさと納税を活用する
リタイア後も一定の所得がある場合、ふるさと納税を活用することで住民税を軽減できます。売却益が多い年には積極的に利用するとよいでしょう。
まとめ
リタイア後に税金が増える主な原因は、株式売却益や配当所得に対する課税です。会社員時代は給与所得控除がありましたが、リタイア後はそれがなくなり、投資収益が直接課税対象となります。
税負担を抑えるために、
- 新NISAを活用
- 資産配分を見直す
- 売却のタイミングを工夫
- ふるさと納税で住民税を節税
といった対策を意識しましょう。
リタイア後の資産管理を工夫し、無駄な税金を減らしながら賢く運用していきましょう!